第143話 今後の時間割
レヴァイン先生が説明してくれた今後の授業がコレ。
クラス替えになって少し授業が変わったが、3学期もこのままでいくそうだ。
光 1・2魔法学(属性魔法・無属性魔法 座学及び実技) 3社交 4外国語
火 1魔法史学 2実学 3数学 4文学
水 1社会 2魔獣学 3体育 4芸術(音楽)
風 1・2攻撃魔法実習 3魔法理論 4古代語
樹 1・2薬学(座学及び実習)3・4専攻授業(工芸)
土 社会見学(月1回)及びダンジョン実習(任意)
前は選択授業を5つ取れたんだけど、今回は外国語、古代語、芸術の3つだけ。
専攻授業の工芸は錬金術科志望の必修授業だ。
リッチの件が無ければ自由選択授業のままだったのに。
私の錬金術科は工芸だが騎士学部は武術に、錬金術科以外の魔法士学部は実践魔法、文官学部は政治経済、家政学部は家政学に変わる。
そして属性と無属性魔法が合同になり、代わりに体育と一緒にするはずだった攻撃魔法の実習が増えた。
体育の授業も前のように遊びながら体を動かすのではなく、走り込みや筋力トレーニングのような体を強くする運動が中心となる。
芸術の授業で取れるのは以前と同じで、音楽・能書・絵画・演劇・工芸だ。
この工芸では鍛冶はしないので1学期に一緒だった騎士学部の2人組は剣を打つことは出来なくなってしまった。ちょっとかわいそう。
まぁ実際使えるほどの剣を打てるとも思えないので、しょうがないんだろう。
私は音楽と能書と悩んで、音楽を取ってしまった。
能書は指定の本を買って自分で書き取りを続けている。
この授業は文官科の人がやっている人が多い。いろんな文書を装飾文字で書く仕事があるからだ。
あれ?そういえばジョシュやってない。大丈夫なのかな?
音楽はやっぱり歌唱なのだが、やるとやらないならやっぱりやった方が良かった。
それと新しく鑑賞といって音源を保存できる魔道具を使って以前に演奏されたものを聞くことが出来るのだ。
やっぱり音楽に触れると私のストレス(ハルマ用語です)は軽減されるようだ。
レオンハルト様との音楽のレッスンも来週から再開することになったし、万々歳だ。
薬学は初級ポーションの作り方からだ。
1学期の授業は加熱するだけ、混ぜるだけのようなものが多かったが、今回から魔力をこめていく。強すぎると器具を壊してしまうので繊細な魔力操作が必要だ。
私は上級ポーションまで作れるから必要はないのだけど、初級でもさらに回復力を上げる作り方があるそうでそれを目指していくつもりだ。
亡くなられたコリントン先生の代わりに新しく来たフローラ・エイムズ先生が指導に当たる。
この方は薬師と珍しい医術を学んでおられるそうだ。
医術か。興味がすごくある分野だ。
モカの世界ではこの医術がたいそう発達していたと聞く。
例えば指が切断されても腐敗しないように冷やして手術を行うとくっつけることが可能なのだという。
それでも神経や腱を上手につながないと使えるようにならないそうだ。
私のように炭化して折れた場合はどうしようもないが、治癒魔法で治すときも神経や腱のことをイメージしてかけたい。
そうすればニコルズさんの目のように見えにくいままでなく、見えるように出来るのではないかと思うからだ。
今のニコルズさんを見えるように出来るかは不明だけれど、これから苦しむ人たちには出来るはずだ。
薬学と言えば悲しいことがあった。
私の薬草畑のことだ。
コリントン先生は自分で耕した分を自分で世話できるなら制限なく栽培してよいと言ってくれたが、いじめ問題の起こるきっかけになったことだし、他の人と同じ大きさにしろと言われた。
残念だったが了承して全部採取したら、独り占めするなと学校長の秘書のロレインと言う女性に文句を言われたのだ。
このロレインさん、学校長の愛人ともっぱらの噂の女性で何の仕事してるんだろうと思っていたが、初めて関わったのがこの事だった。
独り占めって種や苗は全部私のお金で買ったものだよ。
肥料の代わりに魔力水も上げていたんだよ。
動物に食べられないように付与もかけていたんだよ。
つまり他の生徒よりもしっかりとした世話をして栽培していたのだから、学校の財産になるのはおかしいのではないか?と思う。
どうやらハイディング・プレーリードッグに食べられて学生が納品できなかった薬草の補填を私の薬草で当てようと思っていたようなのだ。
しかも私が育てていた薬草の中には授業では使わない貴重なものもあってそれも狙われていたようだ。
私の死亡説を流したの、もしかしてこの人たち?
薬草全部奪っても死んだって聞いたから畑を撤去したって言えば済むしね。
でも私の電撃の付与のせいで出来なかっただろうけど。
ニコルズさんや副学長が間に入ってくれたが、結局授業に使うものの内半分は学校に無償で納品することになった。すぐ使うわけでないものまで持っていかれた。
冒険者ギルドに売れば儲かるのでそれを狙っているとわかっているのに相手が貴族だから泣き寝入りするしかなかった。
すごくムカつく!
私の薬草で無事を買ったと思えば安い物……なんだろう。納得は出来ないけど。
でも貴重種は売らなくて済んだし、今後はモカがシークレットガーデンの中に私の畑を作って栽培してくれるそうなので取られる心配はない。
モカには精霊神の加護があり、栽培スキルも持っている最高の庭師なのだ。
だからもう忘れよう。その方がいい。
あと変わったのが魔獣学だ。
今回から使い魔を持とうというテーマになり、魔獣の卵を買うことになった。
前の予定では従魔を持ちたい人以外は卵を買う必要はなかったのに。
卵の中身は値段の高いものにいい従魔が入っている確率が高いそうだ。
私としてはすでに持っている従魔から使い魔を選べることにしてほしかった。
ミランダを使い魔にしようと思っていたのに。
そして孵した従魔を使い魔にするべく調教していく。
この育てていく過程を教えるというのだ。面白いけど従魔を必要としない人たちもいるだろうに。
やっぱりみんなを兵隊にしようとしているからだろうか。
それに安い卵を孵したら使い魔になれないような知性のない魔獣であることもよくある話だ。
それでも調教できるんだろうか?
わからないけど、みんな借金して高い卵を買うんだろうな。
そして2年生になったら、召喚が出来る。
実は王都に帰ってきて召喚をしたかったんだけど、出来る場所がとても限られていることに気が付いた。
アランカの森でならいいと思っていたが、意外とあの森はヒトがよく入っているので、落ち着いて召喚が出来なかった。
それで『常闇の炎』の召喚場をお借りしたかったのだが、そこではクランマスターが許可を出した魔獣しか入ってこられないのだそうだ。
となると私の呼びかけに答えてくれる魔獣が入ってこられない可能性が高い。
だから私が安全に召喚できる場は学校の召喚場しかないのだ。
そしてその召喚場は2年生になれば入場が許されるが、1年生は能力に関係なく入れないので諦めるしかなかった。
まぁ当初の予定だった強い従魔を持つことはモカがしばらく助けてくれるから攻略の方は問題ない。
たぶん。
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