第10話30-32

輝く海を孕ませた展開図

清空に入れたらいいのにな


捲ってしまえば最期のpage

やきついてしまったモノクロ


斑点を残して

タイムアップと知った

【懐の雫】



綴じた貝殻を燦燦の火に焼べる

長短のついた菜箸でひとつまみ

塩辛い味に涙が籠り

零さないよう握り返す

空虚な風が冷たくひとなでした

ここにいるわたしたちを

嘲笑う嘶きも

【はい】



墨流し

同じに離れない終の文様

何処から読んでも聞こえない

あいのらくえん

咄嗟に掴んだ指先は火傷して

消せない疵を追いました

奏多を駆け抜けるは

路になくなく

【きづなあと】




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