第2話 5-7

紅空に宙を切り

瞳を括る赤蜻蛉

糸川(しせん)は宙に

庇われる 閃光華飛(千恋花火)。

【螢】


汚れ落ち渇いた淵

這い昇るは嘗ての努努(ゆめゆめ)

消せない愛を視えるように

カンテラの焔と詰む

踠き毟っては痕を散らした

【落葉】


はらはらと落ちる洛陽

綺麗なもの 氷雨 きらきら

風花と撒いた種は或いも

丁に崩れた屍に息吹く

表情は幽かに雪月花の、

【赤い実】

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