むらさきの煙
ふえるわかめ16グラム
1mg わかば
先日、JTから販売されている「わかば」「エコー」「ゴールデンバット」の3銘柄の廃止がアナウンスされました。
うっわーショック、なんて思っていると、どうやらリトルシガーとして復活するようですね、なんとなく一安心。発表されたパッケージデザインも、うまいこと歴史ある銘柄の印象を継承しつつ、可愛いい感じにまとまっていて好感が持てます。まあ、クソデカ警告文が台無しにしている感はありますが、それはもうしょうがない。
(リトルシガーは葉巻扱いなので、税のしくみが違うそうです。)
現在、私はほとんど喫煙しなくなっていますが、この銘柄には結構お世話になっていました。特にバンドにバイクに熱を上げていた学生時代は常に金欠で、「わかば」か「エコー」ばかり吸っていました。
名前こそ「わかば」ですが、私の記憶の中では夏と強く結びついています。
ある夏休み、愛車のCB400SFに取り付けたタンクバッグに「わかば」のカートンをつっこみ、北海道をツーリングしたことを思い出します。あの頃のパッケージはまだ紙だけの簡易梱包で、今のようにフィルムで梱包されていなかった記憶があります。確か雨雲から逃げるように走って、結局追いつかれた後、ポケットに入れた「わかば」が何本かダメになりました。
ただ、味自体は嫌いじゃなく、むしろ「マルボロ」や「セブンスター」などの定番銘柄よりも好みの味でした。今じゃ記憶だけを頼りに書いていますが、非常に濃い、オラァ煙草だー!! と主張する煙臭い味だったかなと。旧3級品銘柄というだけあって、上品な味・香りを期待するものじゃありませんしね。
中には、ラム酒などと一緒にタッパーに保存し、香りを移して楽しむ方もいるらしいですが、私はガサツ・アンド・テキトー人間なのでそんなことは一切せず、バカスカバカスカ吸っていました。24時間営業のファミレスで、灰皿がパンパンになるまでダラダラしたり。
そんな「わかば」を、ボロッちい音楽練習スタジオの中で、アルバイトの夜勤明けの朝日の中で、わざとらしく顔を顰めて吸っていました。
夏のベタつく湿度と気温の中で吸うと、なかなかに強烈な味でした。
煙草は煙を冷やして吸うのが一番うまいそうですので、真夏の安煙草がうまい訳ないんですが、嫌じゃなかったんですよね。
クソまずかったですが。
なんだか近頃、以前より加速度的に夏が暑くなっている気がします。
たぶん、あの時の夏と今の夏は別物でなんでしょうが、ふと、うだるような暑さの中にあのもったりと濃い煙を思い出すのでした。
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