ミオとの出会い(7)

「……これ、変だと思う?」


 ミオが俺の視線に気づいたのか、ショートパンツからのぞく太ももの上に両手を置いて、もじもじしだした。そのしぐさがまたいとおしい。


「いやいや変じゃないよ、むしろよく似合ってるなーと思って」


「似合ってる?」


「うん。女の子みたいですごくかわいいよ。いや、女の子にも負けないくらいだ」


 俺は思っていたことを正直に言葉にした。でもそれは、裏を返せばミオの男らしさを否定する感想でもあるのだ。


 それではあまりにも一方的すぎるので、ここはやはり、本人の気持ちを尊重するべきだと思い、ミオの気持ちを確かめることにした。


「ミオ。女の子みたいって言われるの、嫌かい?」


「ううん、嫌じゃない……」


 ミオが頬を紅く染めながら答えた。


「ごめんな、変なこと聞いちゃって」


「いいの。それにボク、お兄ちゃんにかわいいって言ってもらえて嬉しいよ」


「ほんと?」


「うん、ほんと!」


 そう元気よく答えると、ミオは再び俺に抱きついてきた。今度はまるで、紅く染まったその頬を隠すかのように、俺の腕に顔をうずめている。


 ミオはどうやら、自分が女の子らしさを見せていたことに気づかなかったらしい。


 いや、少なくともショートパンツの件において、多少は自覚があったのかも知れない。


 でも、ミオに「女の子みたいだ」とはっきり言葉にして伝えたのは、おそらく俺が初めてだったのだろう。


 今のミオの反応を見ると、そういう気がする。


 ミオに「女の子みたい」だとはっきり伝えてしまったことで、今度は俺がミオの中にある女の子らしさを意識してしまって、なんだか胸がドキドキしてきた。


 こんなにかわいい〝ショタっ娘〟に抱きついて甘えられると、まるで年下の恋人ができたかのような気分になる。


 俺はこの子の保護者になると決心してミオを迎え入れたのに、まさかこんな感情を抱いてしまうことになるとは。


やはり俺はショタコンだったのだろうか?

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