ヒロシマとナガサキの繋がり
あれから10年。私、愛子は今元気に育って16歳です。ですが...私は今一人暮らし。あの原子爆弾のせいで独りになってしまったのです。優しかった母は、逃げられもせずに爆発に巻き込まれ即死。大好きだった父は、兵に銃で撃たれ死亡。そして私の為に尽くしてくれた姉は、放射線物質からの白血病で病死。私もあの放射線の後遺症のせいで肺がとても弱ってしまって、喘息になってしまったけど、まだ病気にはかかっていない。けれど、何十年経っても放射線の後遺症は消えない。そう長くは生きられないでしょう。
でも私は、これから生きる人達に核兵器の恐ろしさを伝えていきたい。こんな酷い出来事を、忘れてほしくない。被爆した物産陳列館の事を、学校の皆で原爆ドームと呼ぶことにしました。ある日、私は東京、大阪などの思い付く限りの場所に行きました。でも、どこに行っても、ほとんどの人にこう言われました。
「広島!?あの原爆の広島ですか...近づかないでください。」
「あの人広島の人なんやて、近寄らんようにしようや...」
「せやな。気持ち悪いし。」
「あの失礼ですが、近づかないで下さい...」
こんな事を言われた。こんなの差別だ。なんでこんな扱い...何もしてないのに...けど、学校に転校生が来たとき...
「...長崎から転校して来ました、
長崎の子だった。その時の私は世間知らずで、広島に原爆が落ちたことでバカにされると思った。その子は奇跡的に私の隣になったけど、
正人「...初めまして。」
愛子「は、はい。よろしくお願いします...」
正人「...ねえ、原爆の被害にあったんでしょ?広島も...」
愛子「え?あ、うん...」
正人「だよね、俺も嫌なんだ。原爆のせいで、バカにされて、差別されるの...」
愛子「どういう事?」
正人「あ、知らない、ですか...長崎にも落ちたんです。原爆...」
愛子「えっ」
その時初めて知った。そう。長崎県にも二度目の原子爆弾が落ちたのだ。私はこの時正直、ふざけるな、と思った。こんな酷いことあるのか、と。
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