女子力MAXの男子高校生はどうですか?
カレイ
第1話 眠れる少女と入学式
女子力、それはすなわち輝いた女子が持つ力であり、主に料理などの家庭的な力を指す言葉である。
これはその女子力がMAXな男子高校生が織りなす、慌ただしくも楽しい高校生活の物語である。
出会いと別れの季節、春。
そんな春に高校生になった俺こと
「zzz…………zzz…………」
右隣にいるこの頭を縦に何回も振っている居眠り女子がめちゃくちゃ気になっていた。変な意味じゃないけどね。
入学式でこんなに堂々と寝てるやつ、俺はこの右隣の女子以外みたことがない。一応、起こしとかないとまずいよなと思い、小声で声をかけることにした。
「おーい…入学式だぞ…起きろー…」
「うにゅ…お菓子…おいしい…」
ダメだ、どうやら既に手遅れなようで完全に夢の世界の住人となってる…。
「お菓子あげるから起きろー…」
「え⁉お菓子⁉」
「ちょ!声おおき…い…」
さっきまでの熟睡はどこにいったのか、勢いよく頭を上げた。
そのとき、俺はその女子の容姿に一瞬見入ってしまっていた。髪は漆のように黒くロング、目は鮮やかなほど赤く、肌は人形のように白かった。正直に言ってしまえば、俺が起こしたこの女子はかなりの美少女だった。
「お菓子!くれるの?」
「…ぁあ!お菓子な、入学式が終わったら後であげるよ」
危ない、めっちゃ見とれてた…。まあ…なんにせよこれで起きたし一件落着かな。とか思っていたとき。
「ええと…乙部優君と…
と唐突に先生から入学式の最中に言われた。…よく見渡せば周りからの視線が刺さりまくってた。
「はい…」
高校入学し期待を膨らませていたなか、早くも浮いた人となってしまったかも…?
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