『なんだか、みんな、へんよ？』

『なんだか、みんな、へんよ？』

　くまさんは、そう思いました。

　まえは、おうちにも、お父さんやお母さんやしっくんや、びーちゃんがいました。

　お父さんが、まず、いなくなりました。

　つぎに、お母さんが、いなくなりました。

　びーちゃんが、めったに見えなくなりました。

　でも、しっくんは、ずっと、いっしょでした。

　ぱんだのぱっちゃくんとか、たくさんの、お友だちも、長く、ずっと、いっしょでした。

　ところが、ある日、しっくんは、くまさんだけ、ぽっけに突っ込んだまま、沢山の人といっしょに、兵隊さんに、おかしな場所に、つれて行かれました。

　くまさんには、よくわからないけど、てれびの『はこ』のなかで、たぶん、偉い人たちが、互い違いにあらわれては、なにか、むづかしいらしい、たぶん、けんかを、くまさんには、わからない言葉で、とっても、怖そうに話していました。

　しっくんは、ぽっけのくまさんをなでながら、『みんな、ずっと、いっしょだよ。おうちで、待ってる。だから、きっと、だいじょうぶ。びーちゃんの居場所もしってる。みんな、偉い人たちだから、きと、うまく、やるよ。たぶんね。でも、うつぎみのぼくが言うのも、なんですが、・・・、なんだか、みんな、へんだねぇ。』と、言っていました。

　それから、またある日、おそとが、ばっと、ひかりました。

　くまさんと、しっくんは、凄まじいひかりのなかで、消えました。

　でも、やがて、みんながいました。

　光の向こうで、ぱっちゃくんも、こんちゃんも。ほかのみんなも。

　びーちゃんも、いました。

　しっくんや、びーちゃんの、お母さんや、お父さんも、いました。

　くまさんは、よかったなあ、と、思いました。

　また、みんなで、ずっと、いっしょなんだ。

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