1-2 お前には必要ない2
「えっと、俺、直久《なおひさ》 って言います」
落ち着きを取り戻した少年、直久は自己紹介した。
「そっか、直久君か、俺たちも自己紹介するね」
「俺は天上《てんじょう》 嵐牙《らんが》 、2人の弟分だ!」
体が大きく、堅いもいいリーゼントで、赤いTシャツ、黒いパーカーの少年、嵐牙。
「私は灰桜《はいざくら》 雪花《ゆきか》 、この椅子に座っている人の彼女よ」
ショートカットで、灰色の髪の毛で、ベレー帽を被り、黒いロングソックスで、チェックのミニスカートの美少女、雪花。
「そして、俺が
キリッとした目で、少し長めの髪の毛、体形は、少し大きめ、ジャージ姿の志郎。
3人は自己紹介をした。
「それじゃ、直久君、続きをお願いしてもいいかな?」
「はい、俺は、深谷市の児童養護施設のスリーラブ学園に住んでいて、そこにいる一歳年上の山秋遼《やまあきりょう》 って人に、いじめられてて……」
「年上のくせに、下の奴をいじめるとかクズだな」
嵐牙は、眉間にシワを寄せる。
「具体的には、他の人には、山ちゃんって呼ばせるくせに、俺だけダメだったり、目の近くをエアーガンで発砲してきたり、俺か、怒るまで、悪口を言ってきて、俺がキレたら職員を呼んで来て、俺を悪者にしたて上げたり、しかも、山秋の奴は、俺以外の人にはいい人になっているから、俺が何を言っても信じてもらえず嘘つき扱いされるんだ……」
「そうだったのね、誰も味方してくれなかったんだ……辛かったね……」
「しかも、他のみんなには修学旅行のお土産をあげて、俺だけもらえなかっし、俺が何回もキレたのが原因で、キッズランドっていう職業体験パークに行けなかった」
「そうだったんだね、じゃあ、山秋遼って奴をどうしたい?」
「あいつ、人をいじめてモチベーションをあげて。サッカーをやっているのが本当に腹立つから、二度とサッカーが出来ない体にしたいのと、目を潰したい。俺の目が失明したら大変だった」
「わかった、じゃあそいつの足を使い物ならなくさせるのと、目を潰せばいいんだね」
「あっ、でも、いじめっ子に報復する場合、証拠があるんじゃ……」
「大丈夫よ! 私、情報収集が得意なの、いじめっ子ってクズでどうしようもないバカだから絶対にボロがでるから、それを集めるのは、意外と簡単よ!」
「え? 俺探したけど見りませんでしたよ?」
自分が頑張っても出来なかったことを簡単に出来ると言う彼女に驚く。
「まぁ、直久! そこは姉さんにまかせな!それとお前を信じずに嘘をついたクズ職員をどうするか?」
「職員は、今まで信じてくれなかったから、俺を信用してくれるようになってくれたら嬉しいな」
「直久君は、優しいのね、わかった、私たちは職員には、何もしないわ!」
雪花は、ウインクをする。
「それで、お金なんだけど、それは山秋っていうゴミの金からもらうね、俺たちは被害者から報酬はもらわないから加害者からもらうけど直久君ももらう?」
「いや、施設のルールでお金のやりとりはしちゃいけないし、あんな奴のお金はいらないです」
「そっか、じゃあ俺たちに任せて、今日、決行するから、楽しみに待ってて」
「はい、ありがとうございます、よろしくお願いします」
直久は、先程の表情が、嘘のように笑顔で、そう言った。
「雪花さんお菓子ありがとうございました、美味しかったです」
「はーい、どうも、君みたいな優しい人、いじめるなんて、山秋遼っていうカスは最低ね」
優しい笑顔で答える。
「お邪魔しました!」
依頼者は、明るく帰っていった。
「さてと、雪花、嵐牙、一狩いこうか」
「うん」「あぁ!」
そして3人は、準備を始めた。
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