第2話 一ー二
俺の名前は神地類(かみじるい)。高校2年生。そしてとある高校野球部の、自分で言うのも何だがエースピッチャーだ。
またこれも自分で言うのも何だが我が母校は甲子園常連の強豪校で、先輩たちは甲子園で優勝したこともある。まだ俺たちの代は「優勝」という結果を残せてはいないが、俺はその目標に向かって必死に練習している最中だった。
そしてそんな俺には1年生の時から付き合っていた、横山由香(よこやまゆか)という彼女がいた。由香は俺と同級生で、1年、2年と同じクラスに所属している。彼女の顔はパッチリした目、しっかりと通っているがとがり過ぎていないきれいな鼻筋の美形で、「かわいらしい」とも言えるし、「きれい」とも言える見た目だ。また由香は小さな顔でスタイルも良く、特に足が同級生と比べて長い。まあ絵に描いたような「野球部エースの彼女」
と自分で言ったら変だろうか。
―ここまで言ったら俺が何を言いたいのかお分かりだろうが、俺は野球もでき、そんなかわいい彼女もいる「完璧」な男―だった。ちなみに俺は背が高く、手足も長い。その手足に関しては「ピッチャーに向いている理想的な長さ」と監督から言わしめたほどだ。また顔に関しては同じ部活の仲間から「目力がある」とよく言われる。実際俺は大きな目で、その「目力」を壊さない整った鼻・唇を持ついわゆる「イケメン」である―と自分では思っている。
さらに俺は野球だけでなく勉強もでき、全国模試の成績も上位には入っている。そんな、繰り返すが「完璧」な俺に―、大きな隙ができてしまった。
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