徹頭徹尾翻訳風の文章でつづられた本作。それだけでも作者のこだわりが透けて見えますが、まさにその通り。
始まるのはダークな、けれどもどこにでもあるようなありふれた日常。
登場するのは皆が癖のある陰のある人物たち。
「娘を迎えに行かなくちゃ」
きっかけはほんの些細なことで、けれども一つ躓けば、物語は歪み、連鎖し、取り返しがつかなくなっていく。
構成、キャラ、世界観。どれも作りこまれていて、だからこそ不思議な世界観が色を持って私たちの目の前に現れます。
どんな人にもある自身の“思い”、その大切さを再確認させてくれる、そんなお話です。
生き方につかれた人、生きづらさに辟易した人、生きる意味を見失った人。
人生に疲れている人にこそ是非、読んでほしいです。