夏草

無人の公園で蝉だけが鳴いている。除草されないまま伸びきった雑草にも、名前があるはずだった。何も知らなくて、よかった。あの子の名前を知らなくてよかった。植物というくくり。人間というくくり。あの子を特別扱いする方法を知らないから、全てに平等になれた。おめでとう。これで平等に傷つける。

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