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暁
春が、私の近くにくるなんて、信じたくなかった。冷たい空気が心を蝕んでいく真冬が、この生涯にお似合いなのだと私は知っている。春の呪いだ。冬眠なんかより春の始まりが死に近いと、土から這い出る季節を間違えた虫は言う。命の約三分の一を睡眠で削る私には、春の陽が体温のようで痛いのだ。
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