ムーの遺産だよお兄ちゃん、だから言うこと聞いてよねーポンコツAIとニートの事情

猫3☆works リスッポ

第1話マスターはお兄ちゃん

俺は船に乗っていた、親父の伝手で就職するのが気に入らずさんざん逆らって、次々に就職を辞退し続けたあげく地元の企業で面接するところが無くなってしまった。

勘当だという段になってとうとう本州企業にアポを取って面接に向かうことになってしまった、この期に及んで流石にこれをスッポかすのはまずいから。

つまりは就活の旅行だったが俺の今後の人生を予感させるように波は高く心地よい朝の光は部厚い雲に閉ざされて一筋の光明も見えなかった、船酔いをした俺は本当は客室に居た方が安全なのだが吐き気がひどくてデッキに出てしまった、「ちきしょう飛行機代があれば」親にはフエリーに乗る金しか出してもらえなかった、まあ25歳で定職がないのが悪いんだけどさ。10分ほど風と言うか暴風にあたっている間に状況はさらに悪くなった、具合が悪い上に足元が不安定でおまけにデッキには船員も出ていない。

「おえー。」昼飯はとっくの昔に吐きだしもう胃液も出ない。

その時暗い空に時々閃いていた雷光の中に糸屑のようなものが飛んでいるのが目に入った、吐きながら見ているとその糸屑はゆっくりと海に落ちていった。「なんだ?」涙目。

それが小さい糸屑だと思ったのは俺と相当の距離があったからだとその直後分かってしまった。

1分ほど過ぎるとフエリーの横に大量の泡が浮かぶ、え?まさか「GODZILLA?」その中心からさっき落ちて海の底に沈んだその糸屑そっくりの模様のぶっといホースの様な物体が荒れる波を突き抜け飛び出してきた、これは。

どうもこの物体は海蛇のようだったがかなりでかい、デカ!フェリーより長いじゃないか、で、こっち見てるし。

「ヤッヤバイ、船室に戻らないと。」この場合戻った方が安全なのか確たる自信はなかった、船ごと沈めららられらそうな予感しかしない。

そうこうしてるうちに海蛇の、その人間の頭より大きい赤い目が俺の姿を追いかける、「ねえお祖母さんのお口はどうしてそんなに大きいの?」、「それはお前を丸呑みにするためさ。」

海蛇が大きく口を開けて迫ってきた時に一瞬そんなお話が頭に浮かんだ。

走馬灯かー!。


意識がどのくらい飛んでいたのか、暫くして俺の目の前には少女がいた、まるで薄い同人誌から抜け出たような、薄衣のしかし少年のような洋服を着た姿形、いやもしかして性別男?。俺は海蛇に飲まれて一体どうなったん、死んだのか転生したのか(転生ならベタな展開だが)そして目の前の少女?が口を開く。

「自己紹介するよ、ボクはノア、マスターは転生したんだよ。」

「おお、やっぱりそうか、剣と魔法の世界が俺を呼ぶぜ。」急にハイになる俺、ええとステータスは。

「えーこんな話信じるんだ!お兄さんバッカじゃないの!」

「言っとくけどステータスは出ないからね。」

その子は目を大きく見開いたすぐ後に蔑むように薄い目でこちらを見てドン引きされてしまった、「この目はご褒美だからね、仕方ないなボクがお兄さんに説明してあげるよ。」

こらこらどんなご褒美だよ、話しながらこの物体と周りを見る余裕が少しばかり出てきた。


目の前にいるのは外見は褐色の肌で身長は1m位か、小さい牙のボクっ娘で、可愛いお臍がのぞくほどお腹が出る丈の短い黒の上着から両肩を出している、これなんて言う服だっけか、上着の上下にはフリルかレースかどっちだかで飾られてる分からん、同じくフリルの黒の短パンと編み上げのサンダル、って何のコスプレだよ。

ピョンと一回飛んでから、えーとなんて言うんだろうか、お尻を突き出した様なあざとい姿勢で話を始めた。

「ここは太平洋上にある人工島、ムー大陸の遺跡つまり地球外人工生命の島で、ボクは君、つまりマスターの為にやってるんじゃ無いから!」

「いや、まあなんだ、子供の相手してられん、とにかく俺はいつ帰れんだ。」

「この姿も標準的な小さい女の子にしてあるんだよ、声も統計的に童貞のニートの好みに合わせてるんだ、素晴らしいでしょ優秀でしょ、お兄さんはろりこんなのかな〜」

「ど、現状で童貞は認めるが、に、ニートじゃない、こんなことにならなきゃきっと面接して就職して」

ノアはこっちの話は聞いていない様だ

「ほんと、連れてくるのは誰でも良かったんだよ」

ちらっと俺の目線を追っている、丁度胸に目線が落ちたところだった

「異世界転生しておっぱい揉めると思ってたでしょ」

「いやそんな、ちょっとだけ期待は」

「ボクはちっぱいだけど、VRだから触れないけどIカップとかに大きくもできるんだよ、君なんかのためにはやらないけどね、とにかく君はじゃないマスターは死んでないし、転生でもない、この宇宙船のボク・ノアが海の中からゴミクズの様に拾ったんだからね」

「俺はゴミなのか、マスターなのにゴミ?」

「あれ?まさか君ちっぱいが好きなの?ロリなの?」

ええいまともに受け答えしろよガキンチョが。

「君みたいなクソがくるのは想定外だったけど、優秀な奴より邪魔にならなくて案外、却って良かったかもしれないね、童貞、ニート、引きこもり、ロリコン、リーチ上がりだねお兄ちゃん」

いいかげん煩いので俺は真剣に聞いていなかった、あれ映像なのにお腹に傷があるな、修正落ち?VRだから触れない筈だったが腕を伸ばして傷をなぞってみる「あ」触感がある。

「ぎゃー、ぼ、ボクに触ったなこの卑怯者、性犯罪者、殺してやるから!」

「な、待てよ、VRだから触れないって自分で言ったろう。」

ここまで来て殺されては困る。

「ギィイッ!、い言ったけど、君は何で触れるんだよ。」

「知るか、お前がバグってんじゃ無いのか。」

こいつ本当めんどくさいボクっ娘だなぁ。

「ううこんな事初めてだ、ボクに、映像に触る奴がいるなんて、3万年もここにいるのに、穢されたよー。」

「なんだババアだったのか、いや優しい言い方すれば合法ロリかな。」

俺は、いつのまにか短時間で馴染んでいる自分に驚いてた。


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