ReincarnationⅢー辿り着いた世界

Yasuko ☆

第1話 新たな世界

アナウンスが流れる

Stay in this world

この世界に留まります





kei「世界」


Lail「一体、どこに来たんだ」





Stay in this world

この世界に留まります





kei「えっ、ここは」





アナウンスが流れる


Stay in the 3.5 dimensional world

3.5次元世界に留まります


「3.5.....」





3.5次元世界


人間の意識には二種類あり


普段自覚している意識は顕在意識であり


100%が全体だとすると


そのうちの10%を占めていると言われている


例えば、願っているのに


なかなか願いが叶わず


現実の世界に変化が現れない理由として


意識の奥深くにまで到達していないことが


挙げられる


この奥深くを占めているのが潜在意識


実に90%を占めており


普段は無自覚の意識でもある


つまりはこの無自覚の意識にまで


しっかりと願望を落とし込めて


はじめて現実の世界に変化が起きると


言われている


覚えているだろうか


ある年の特別missionで


特別転生者として転生していたRui


彼は、個人的な願望でこの3.5次元世界と


地球の核とも言える京都の貴宝寺にある


石碑とを繋いでしまったことを


またある年の特別missionで


特別転生者として転生していたHaruが


3.5次元世界の封印に成功したことを


その後、京都は観光地からまた


人が居住できる環境になったものの


一度は繋がってしまった世界


封印された今も京都には


そのエネルギーが色濃く残っている


京都、特に貴宝寺周辺に


住むことができる人間は非常に限られている


貴宝家、直系の人間を中心に


その周りを星型に囲う5家


またその周りをサークル状に囲む10家が


代々、この地を守っている


特に貴宝家に住む人間は


時に過酷な環境ともなり得るため


貴宝家の血を受け継ぐ者が絶対条件となる


その為、彼らにとって


跡継ぎ問題は非常に重要な課題となる


また、東京の異世界次元ビルに住む


二階堂家


この場所もまた地球の核であり


こちらは、一時地下に闇の世界が


はびこっていたこともあり


闇による影響を受けやすい場所と言える


二階堂家もまた


周りを星型に囲う5家と


さらにその周りをサークル状に囲む10家で


代々この地を守っている


二階堂家にとってもまた


跡継ぎ問題は非常に重要な課題となる


この両家


一般的な地球人とは少し異なる


外見こそ同じではあるが


中身が少し異なる


どう違うかと言うと


地球の核となるため


DNA、それから因子に違いが見られる


一般的な地球人のDNAや因子が


100%地球人であるのに対し


彼らは、地球人の他に


さらに上の次元のDNAや因子が


組み込まれている


それにより、地球滅亡の危機が


万が一訪れても


彼らだけは滅びることがないよう


あえてそういう造りにしている


その割合は個々により異なるため


一人として同じ状態の者はいない


そしてまさに地球滅亡の危機が訪れた


今回のmission


果たして





今回、次元上昇を図り辿り着いた世界は


当初の予定だった4次元世界ではなく


3.5次元世界


つまりは、地球全体が


3.5次元世界となってしまった


潜在意識が強く反映されるこの世界


ということは


願ったことが叶いやすい世界とも言える


これだけ聞くととても幸せな世界に


聞こえるかもしれない


幸福な願いではあれば良いが


反対に闇を含んだ願いではあれば


その後は想像がつくであろう


とても恐ろしいことにもなり得る


この世界に留まる地球


この先はどうなってしまうのだろうか





kei「Lail、もう一度次元上昇を


試みましょうか」


Lail「もう一度試すほかない」


「はい」





カチャカチャ


ガシャッ


レバーを引く





アナウンスが流れる

Do you want to rise again?

再度、次元上昇を行いますか?





yes





Then we will go up the dimension

それでは次元上昇を行います





ウィーン


ウィーン

内部で機械が動く音





ガシャッ





ガシャッ





Rising dimension

次元上昇中





Rising dimension

次元上昇中





ガタッ





ガタッ





ウィンウィン





ウィンウィン

サイレンが鳴る





No rise beyond this

これより先の上昇不可





No rise beyond this

これより先の上昇不可





kei「なぜだ」


Lail「やはりできないようだ」


「はい」


「原因を解明する必要がある


一旦、この世界に留まることにする」


「しかし、あの3.5次元ですよ」


「分かっている、一時だ」


「分かりました


では、一斉通知を流します」


「あぁ」





カチャカチャ


Lail

なぜ、上昇できない


4次元世界はまだ


まっさらな未開拓次元のはずだ


何が邪魔をしているんだ


今後の計画を考え直す必要が出てきた


一旦、特別missionは終了し


一度、会議を開く必要がありそうだ





Reincarnation Panelが光る





Simultaneous notification

一斉通知


Temporarily stay in the 3.5 dimensional world

一時的に3.5次元世界に留まるものとする





ザワザワ


ざわつく


えっ、3.5次元って


あの3.5次元世界だよな


あぁ


今回のmissionは失敗に終わったってことか


詳しいことは分からない


どうなるんだこれから


地球は大丈夫なのか











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