チューンドールの世界
宇宙地獄流 コズミックブレイザー
第0話 現代とチューンドール
とある研究室で一人の男が5等身くらいのいわゆる幼女体形のロボットを開発した。この男の名は悠城 盤上(ゆうき ばんじょう)という。
この男が開発したロボットはチューンドールという名前で後に人々に売られることになる。人間のパートナーとしてマスターとなる人間一人一人のために調律された人形のようなロボットを目指してチューンドールという名称にした。
このロボットのボディそのものは現在、既存のロボットのものと大差ない。動きはぎこちなく何とか階段を降りることができる程度のバランスと歩行能力がある。
では、何が、チューンドールは他のロボットと違うのかいうと、
それは心、いわゆるAIが限りなく人間の性格を再現していることだ。
彼女たちは言語や様々な知識を後天的に学習していくが、その学習の仕方にすら個性がある。精神性もほとんど人間そのもので感情豊かだ。
また、彼女達がSFでありがちな機械の反乱のような間違いを犯さないようにするために、根本的な仕様として組み込んだものがある。
それは、愛だ。人類に対する愛を生まれた時から彼女たちは持つ。
その愛は人間が持ち彼女が持たない三大欲求である食欲・睡眠欲・性欲の代わりとなるように設計している。
そんなチューンドールのAIは部品でいうと、コアと呼ぶ丸い物体の中に収まっており、そのコアをボディの胸の格納庫に入れることでチューンドールは完成する。盤上は20年かけてチューンドールのコアを製造するマシン、ベクトル・フューチャーを完成させた。
現在のチューンドールはメカメカしい幼女のような見た目をしているが、これからバージョンアップを重ね、人間と見た目がほとんど変わらないものにしようと考えている。また、ベクトル・フューチャーが作り出すコアの性格にはランダム要素がありいまいち狙いの性格のコアを作り出せるように制御できてなかったので、このマシンにもバージョンアップが必要だろう。
話は変わるが、今いる研究室は大学や企業のものではない。住んでいる実家の中にある。盤上が若いころに発明した製品の特許で得たお金を使って実家に最高クラスの研究室を作っていて、チューンドールはここで、ほぼ個人の力だけで完成させたのだ。
突然ぱりーんと皿が割れる音がする。皿はリビングで落ちていた。落としたのは彼の幼い息子、悠城 遊時(ゆうき ゆうじ)ではなく試作機のチューンドールだった。
「さらわっちゃってごめんなさーい」とそのチューンドールはしくしくと泣くときのような手の仕草をしながら人間のように謝った。
「いいよ、それよりも大丈夫?」と遊時は彼女を慰めた。彼女のボディは鋼鉄製なので皿の破片でケガをするわけがないのだが、幼い彼は心配していた。幼い彼にとっては、ぎこちなくても学習して人間のような動作をしようとするチューンドールは幼い人間と変わらないようなものとして目に映っているのだ。
「ユージと一緒にお皿、お片付けしようね!」「うん!」
試作機のチューンドールである彼女は、最初は赤子同然であったが、遊時が色々教えてあげたり、体の動かし方を学ぶことによって、現在は人間の5歳の子供程度の知能と能力といったところだ。
「彼女が大人並みになったら、その学習データが最初からコアに組み込まれるようにしようか」と男は一緒に皿の破片を片付けるチューンドールと息子を見ながらつぶやいた。
*
それから月日が経ち、よく晴れたある日のことだった。テレビのニュースキャスターが「宇宙人とのコンタクトに成功しました」と報道していた。その宇宙人はとても黒く何個もトゲのついた甲冑を着たような姿をしており、顔は十字の穴に赤いモノアイとも言うべき眼球が入っていた。
「みなさん初めまして、私の名はドゥムです」
これが、僕の思い出すことができた記憶にある出来事だった
次回予告
???「主人公の前世の記憶編はいかがでしたか?
いきなりチューンドールとかいうロボットが出来上がりました
で、時間が飛んで宇宙人とか意味わかんないですよね
次回は主人公の現在いる世界の話をするつもりD・A・Z・E☆
お楽しみはこれからだ!
・・・・ごめんまだ説明回がつづくんじゃよ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます