わたしの手持ちのカード

りんふろ

第1話 はじめの選択

 あなたはどちらを選びますか? 

 「結婚するor結婚しない」

 

 かしこまりました。結婚するを選ばれたあなたの人生のルートをご用意させていただきます。なお、一切クレームは受け付けておりません。あなたの人生の幸運を祈ります。


 私は結婚をするを選んだ。世界中には何人の男がいるのか知らないが、その中の一人の男と人生を共にすることに決めた。周りも結婚し始めてるし、家庭をいつかは持ちたいと思ってたし、子供もほしい。それに、親を安心させたい。そんな思いを持っていた頃の私にはちょうど良かった。今回の選択は、私的に良い選択をしたと思う。

 ただ、もしも結婚するかしないかでの人生の結末の違いが見えていたら、私は結婚しないを選択をしていたのかな?

 人生はたくさんの選択肢で出来ている。そして、一人ひとりの選択肢が重なってこの世の中が成り立っている。ときに間違った選択をしてしまっているとしても、選択をしなければいけない時に未来は見えていないから、間違っていることに気づかない。逆に間違った選択をしてしまったと思っていても、もう一つの人生のルートの方が過酷で残酷な結末を迎えるものだったかもしれない。何もわからないからこそ、人は希望をもって生きていけるのだろう。

 

 「おめでとうございます。」

 「おめでとう!」

 結婚を決めてから約四か月後、入籍し結婚式をあげた。たくさんの人に祝福され幸せいっぱいの中、子供を身ごもった。


 あなたはどちらを選びますか?

 「あなたの子供を産むorあなたの子供を産まない」


 かしこまりました。子供を産むを選ばれたあなたの人生のルートをご用意させていただきます。なお、一切クレームは受け付けておりません。あなたの人生の幸運を祈ります。


 「おぎゃーおぎゃー」

 「おめでとうございます!元気な女の子ですよ~」

 旦那似の元気な女の子が生まれてきてくれた。女の幸せといわれる子供を産むを選択した私は、これ以上にない幸福感を味わえていた。

 「おぎゃーおぎゃー」

 「あら、お乳かしら。よしよし」

 「おぎゃーおぎゃー」

 「あら、おむつね。はいはい」

 「おぎゃああああああ」

 「はーい」

 「あら、おねむね」

 子供を産むを選択したことから、私の人生は大きく傾き始めていた。そんなこと知る由もない私は、娘のありさと眠りに落ちる。

 

 子供を産む。その選択に迷いはなかった。だって、子供が欲しかったから。子供を産むのは親のエゴかもしれない。だけど、子供と人生を共にすることで学べることがたくさんある。幸せや、悲しみや、楽しみなどたくさんのことをを分かち合うことだって出来る。それに、拒まれずにたくさんの愛情を注げて一生の宝物になってくれるのは子供だけだと私は思っていた。この選択も私的に迷うすべもない良い選択をしたと思う。

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