草原に吹く終末の風

姫亜樹(きあき)

草原に吹く終末の風

刺すほどの日差しの中

ぼくは木々のない

よく手入れされた草原を歩いていく

真っ白で巨大な鉄塔の列が

まぶしく光って草原の中に続いている


くらくらする眩暈めまいの中

ぼくは草原のふちへ辿り着く

眼下に広がる都市まち

ゆらゆらと陽炎のように揺れ

海を渡ってくる熱風にさらされている

青い空には雲一つなく

矢のように太陽の光が刺さる


どうして?

こうなってしまったんだろう

ぼくらはぼくらを信じてきたのに

この星を壊して狂わせることしか

出来なかった・・・・・

欲が欲を呼び

足を引っ張り合い

己の事しか見てなかったぼくたち

目隠しをして突き進み

気が付いたら

崖っぷちに立っていた


青い空に黒い雲が広がり

嵐がやってくる

ぼくらの未来に希望が見えないまま

カウントダウンが始まった

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草原に吹く終末の風 姫亜樹(きあき) @Bungo-2432Da

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