友のため、未来のため


ここは、メルダ邸の執務室。そこには、二人の男性がいる。一人は、白髪なれど、キリっとした顔立ちで、背は高く、だが、引き締まった体付きは、服の上からもわかり、優しそうだが、威厳のある、そんな、好青年だった。そして、もう一人は、クラリス将軍である。


「久しぶりだ、今日は、如何なる趣かな。まさか、ただ、顔を見にきただけではないだろう。」ダリルは話すと、「陛下の勅命だ」そう言って、一枚の紙をわたす。


それを見て、最初は、怒りの表情だったが、文の最後の言葉{すべての民が笑える世界を}と書かれた文字で、全てを察した。[我が命が必要だと言うことか}


そして、クラリスに向かって、無言で、首を縦に振る。そして、クラリスに詰め寄り、胸倉を掴んで、外にも聞こえるぐらい、大声で「ふざけるな。王は、我々と、領民に死ねと申されるか。その様な事は、断じて受け入れられん。どうしても、と言うなら、我が首を取りに来られよ。」


ダリスが、そういった時、クラリスが耳元で、何やら、ささやいてから「なれば、それは王への謀反と取り、戦線布告とみなされますぞ。よろしいのですか。


「構わぬ。すぐに帰って伝えられよ」


すると、クラリスは、礼をして、執務室を、後にした。そして、屋敷を出るクラリスを、窓から眺める、ダリスから、声が漏れた。


「クラリス。お前も辛い役目を引き受けたのだな。陛下の事。よろしく、頼む。」








その後、メリル領では、両軍の対立する姿があった。


国王軍10万に対し、メリダ軍は、僅か5千。圧倒的過ぎる戦力差であった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る