衝撃な勅命。過酷な運命
[カインサイド]
今日は、僕の誕生日。今日で15歳になる。昨日レギオン爺さんから{鬼頭流免許皆伝}のお墨付きをもらった。そして、今日、アースロイド様が来ておられ、お呼びが掛かったので、部屋にむかっている。
「あれ?エルザとアリスも呼ばれたの?」部屋に着くと、2人がいた。
「ええっ、私達も呼ばれたの。」「何かしらねえ?」と、言葉を交わし、ドアを叩いて、部屋にはいる。
「カイン、エルザ、アリス。お呼びにより、参りました。」
部屋に入ると、正面ソファーにアースロイド様と姉上が座っており、その右側にクラリス様夫妻、左側にレギオン夫妻が立っていた。なんだか、すごく、冷たくて重い空気である。思わず緊張で額から汗が噴き出した。
そんな中、いつものやさしい顔つきで、「15歳の誕生日おめでとう」と、アースロイド様がねぎらってくれた。「ありがとうございます。アースロイド様。」と、頭をさげる。
すると、次の瞬間、厳しい顔になり。「今から重大な話をしなければならない。心して聞くように!。」
「「はっ」」っと、返事と同時に跪いた。
「まずは、近いうちに、フィリアは私の妃になる。」
「おめでとうございます。アースロイド様、姉上。」喜んで賛辞を贈った。すると、姉上が「ありがとう。」と返事を返し笑顔を作っていたが、眼は、笑っていなかった。
「そして、お前たちなのだが、カイン=リーファン、エルザ=ファン=アストラル、アリサ=ファン=アストラル。この3名を、夫婦とし、今日、今この時より、カイン=ドラグナイト、エルザ=ドラグナイト、アリサ=ドラグナイト、とする。今より新たな名で生きていく様に。」僕達は、あまりの重大発表に驚いて声も出なかったが、こんなことは、序章に過ぎなかった。
アースロイド様の言葉は続き「さらに、今より、カイン達3名の貴族の位を剥奪する!」
「お前たち3人は、これより、この屋敷をでて、世界を旅して周り、今の悲惨な現状を、その眼に焼き付け、いかにすれば、この惨事をなくせるのか、考え、その方法を模索するのだ。良いな。」
その様な大役。私達で出来るのでしょうか?」
「できる、できないではない!しなければならないのだ!」威嚇の様な言葉で伝えられた。
その後、悲しい表情になり、言葉を続けた。「すまぬな、カイン、エルザ、アリサ、だが、時間は私が作る。」そして、窓際まで歩き、外を見ながら「カイン、今の国は、酷い状態だ。法も秩序もなく、王族や貴族によって、正しい事も歪められ、略奪、殺戮が、まかり通って、民は、疑心安否となり、誰もが信じられない。それが、ドラグーン王国の姿だ。」悲しそうで、だが、怒りを纏った様な姿だった。
更に、言葉は続き、「この様な国、最早修正はできぬ。よって、私が、全てを破壊する。魔王となって、善も悪も、貴族も民も、全てを壊し、恐怖にて、纏めあげる。」その時のアースロイド様のオーラは、凄まじい物だった。そして、尚も続けて、「お前たちが、良き世を作る方法を見つけるまでは、私が魔王となり、時間をつくる。」そして、一瞬の間が、あいてから「その方法が、見つけ出せたなら、私と、フィリアを殺し、英雄として、新しい国をつくるのだ。すべての民が、笑って暮らせる世の中をな。」
「僕が、殺す?アースロイド様と、姉上を?」
僕は、余りに衝撃な話に、頭の中が、真っ白になった。
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