第34話 強制連行
ただの木の像と成り果てた俺の神、俺は忘れないよ、まだ調べてないがチートは苦し紛れに貰えたし、しょうがねーからお前から神を引き継いで世界平和でも祈っておくから天国行ってね?地獄があるのか分からないが、呪われたら怖いじゃん?
(……誰が死んだんですかね?)
あれー?空耳が聞こえる、耳が良いのも問題だよね、やれやれ。
(現実逃避しないで下さい、私は死にません!)
何回目のプロポーズのつもり?
(先ほど折られた像に宿っていたのは私の意思のほんの少しの欠片でしかありません!)
ん?じぁあ何であんなに焦ってたの?ほんの少しの意思の欠片とやらが乗り移ってただけで神様自身は死なないのに?
(ほんの少しだろうと意思は意思です、馬鹿になったらどうしてくれるんですか!?)
馬鹿になるの?そもそも俺のせいじゃないし…物理的にやったのはルルさんですし?
(もっと真面目にあなたが考えていたら折られませんでしたっ)
いやいや、折れてたって、確信もって言える、もう心折れてんじゃん?
(うっっ…あのモンスターはもう近づきたくないです…)
ばっきゃろー!モンスターじゃねぇ!ルルさんと呼べやっもう一回折らせるぞっ!
(はいっルルさんですね!素敵ですよね!)
弱っ軟弱の上に陰湿で普通とかお前の救いは何処にあるんだよ。
(ビドイ…っうううっ帰ります!)
え?どこに?神様の家とかあるの?
…へんじがないただのかみのようだ。
あれから何度か普通神に呼び掛けてみたが返事がない、マジで何処かに帰った様だ。
まあ、それはそれ、俺の貰ったチートを確認しないと、何を貰えたのか把握してない、あの時普通神は言ってたな、この世界に召喚された人が欲しがったモノだと、たまに変なチート欲しがる奴が居るだろう?
どうやって確認するの?もうちょっとルルさんに噛ましときャよかったなー。
「ブォフ」カワイイ子、ワタシとシャベる?
おう、ルルさんー!女の子だったんすか?
((ルルさんのお陰で神様に話せる力を貰ったよ、ありがとう!))
「ブォフン?」カミサマ?オイシイ?
((ど、どうかな、木の棒美味しかった?))
「ブフー」オイしくなかった、タノしい
((そうなんだー良かったねー))
「ボフ」カワイイ子、マモル、ワタシのウデの中にイて、誰にもコウゲキさせない、マモル、約束シタ
あ、はい、何か日本語オボエタヨーみたいな喋り方するな?拙いが頭に聞こえる声は優しい、やはり母親的ポジっぽい、お邪魔しまーす、とルルさんの腕の中の定位置へ。
ルルさんに守られながら思考再開、やっぱあれかな?よし、ステータスオープンっ!
…何も起きない恥ずかしいパターンだった、声に出さないだけマシか…えーと、後は何だろう?あ、鑑定とかよくあるよねアルアルー、ルルさんを見て、鑑定っ!
…どちくしょう!なんも起きねーじゃねーか!召喚された奴は何を欲しがったんだよっ!
と、遠くの方からガラガラガラと馬車を走らせる音がする、メルーさんのお迎えにはまだ早い時間だ、誰だろう?やけに急いでる感じで此方に向かって音がする。
裏門に急停止した馬車から降りてきたのはおっさんだった、と、どうしたの?何か忘れ物?ニコニコ笑ってこっちに早足で歩いて来るんだけど、雰囲気が怖い…。
「さっきぶりですね、きゅーちゃんさん、所で私が差し上げた神様の像が見当たりませんが…あそこに落ちている割れた棒は何ですか?」
え、えと、えとそれは、あのルルさんがおもちゃにして壊してしまってですね、あの笑って怒るのやめてつかーさい…。
あっ念話!人間に通じるかなっ!
((あの、おっさん、俺の声聞こえる?))
「…今のは?きゅーちゃんさんですか?」
おおっ通じた神よー!あ、いねーわ
((そうだよっさっき神様から貰ったんだ、凄いでしょ!?))
何かやべー雰囲気なので、無邪気を装って尻尾振って誤魔化す。
「知ってますか?巫女様は声を遠くに届ける魔法をお持ちなんです、魔力の使用が多いので緊急事態以外使わないんですけどね?」
へ、へぇそうなんだー凄いね千代さん!
「巫女様が言うんですよ、犬神様に苛められて神が隠れてしまったと、さて、何をしたんですかね?」
何か?すいません?
何も言ってないのにニコニコしながら食堂へ歩いていくおっさん、あ、何か嫌な予感がする気配ビンビンだぜ!18禁じゃあねぇんだ、言い方を変えよう…逃げたいですぅ。
戻ってきたおっさんに首根っこ捕まれて捕獲完了、マテマテ、話せばワカル!
「では、了解も取りました、王都へ行きましょうね?」
「ブゥフ」カワイイ子、イッテらっしゃい
ルルさんに助けを求める前にお見送りされた!あーんっ俺のせいじゃないーっ!
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