第14話 世界は変わっても事情は変わらず
な、なんですと?耳を疑うような事実発覚!何故メグちゃんが両親に捨てられるなんて事になったんやっ、続きはよ!
ペシペシ近くの手を叩いて続きを促す
「ご飯おかわりですかー?」
それはもうええっちゅうねんっ!
「んー?あー続きですかーえーと単純にメグちゃんの両親はー養えなかったんですーお金がなくて貧しい生活を送る人は多いんですよー?」
ぬうっでも捨てるのはさすがに…だがまだ俺はこの世界を理解してる訳じゃないし、人間だった頃も赤ん坊を捨てるニュースだって見た事もある、そうか、だからルルさんを拾おうと思ったのか?もしかしたらルルさんが俺を拾ったのも同じ理由なのかもしれない。
「幸い叔母さんがーお店をしていて少しは余裕があったからーメグちゃんを引き取ったんですねー?でもルルもあの大きさなので食費なんかで叔母さんに借金が出来てしまったんですー」
メグちゃんの借金はそこかー、俺も拾われた口だからな、何とも言えん……が世知辛いな
この世界は意外と貧しく生きづらい世の中なんだ、そう考えると犬でよかったのかとか思ってしまう、冒険者は多くないのか?儲けは思ったより少ないのか?メソの懐事情が知りたいものだ。
仮に俺が人間でここに来て冒険者になったとして、メグちゃんを助ける事は出来ただろうか?チートなんて無いんだから無理な話かもしれない、悲しいかな、なんて非力なんだろうか俺は…少女一人救えないなんてな。
「でもーメグちゃんは辛いとは思ってないんですよー?偉いですよね?だからきゅーちゃんが悲しむことは無いんですよー?」
しゅんとした俺にそんな言葉をかけてくれる、メルーさんの賢さが一つ上がった。
翌日メグちゃんの家へ運ばれた俺は、メグちゃんの事を観察してみる、ルルさんのお世話を鼻歌混じりにしているのを見ると、メルーさんが言っているように辛そうにはとても見えなかった、喜んでいいのだろうか?何かしてあげたい気持ちは間違いなくあるんだが……
「次はきゅーちゃんの番だよ!新しいブラシ買ったのっルルのブラシはちょときゅーちゃんには固すぎるもんねー?」
俺早速金銭的迷惑かけてるやんけ!落ち込みまくり項垂れる。
「ど、どうしたの?きゅーちゃん具合が悪いの?病院いく?」
ハッ!いかん元気なのに心配かけてまった!
「きゃん!きゃん!」元気元気!ほらクルクル回れるで!走り回れるで!
「わっ!きゅーちゃん元気だねっ良かったー!病気になっても安心してね?私ちゃんとお世話するからね!」
泣いてまうやろー!
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