第3話 夢幻泡影を語る 未完
万物は実に儚いものであります。というのも、いま私がこうして、文章を書いて、それが世に出回ったとき、いずれかの方がお読みになったとしましょう。果たしてその作品が、皆さんが一挙に御称賛くださるほどの大作で、皆さんがきっとこの文書は永劫に残るに違いないと思われたとしても、著者の私や読者の皆さん、それらを繋ぎとめた文書も、いつかは形も、事実も、さっぱりとなくなるのです。
有名な真の傑作、平家物語は次のような書き出しです。祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。その意味するところは、皆さんもご存知の通り、「どんなに栄えているものでも、いつかは滅びる。そんな必滅の情致が、祇園精舎の鐘の音から伝わる」で正しいです。昔から、物事の実在について、このように考えられて来ました。それは、形あるものは、いずれ滅びるのだという観念です。その悲劇から切なさや儚さ、そこからいずる尊さを見出だし美とするのが、日本特有の文化です。いつか、x-MENの映画で、悪役の日本人が、不老不死を欲してたおれましたが、それは、日本人固有の美しい文化的精神では決してないでしょう。永遠は、日本人の美的価値観において嫌うところであるはずです。ともかくも、昔の人々の思想や、発想は、どれも素敵なのです。
このような日本人の美徳は、現代では希薄になりました。インターネットやコンピューターによって、情報を電子化し、長期的な保存が可能になったのが、原因ではないかと、私は思います。
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