クラスごと異世界転移したけどスキルがなくて追放された僕は、ハズレスキル持ちの空想少女と世界を作る【4話完結】

江東乃かりん(旧:江東のかりん)

世界は空想で溢れている 1/4

 このクラスには空想少女がいる。


 彼女はだいたい一人で本を読んでいて。

 一人でノートに色々なことを書き込んでいて。


 ともあれ、彼女はいつも一人だ。


 でも、集団生活においてそう一人でいられる訳もなく。


 彼女が一人でいることをからかう同級生が少なからずいる。


 気に入らなければ放っておけば良いのにね。


 散々なじられたあと、彼女はやっぱり一人きり、涙を流している。


 女の子同士のいざこざに介入するなんてこともできない。


 ……と、もったいぶって理由をつけているけど、助けられない本当の理由は別にある。


 そのせいで、いまの僕には見守ることしかできない。

 もどかしいんだけどね。


 だから、いつか君が、君だけの可能性に気付きますように。


 なんて。

 他人事のように過ごしていたある日。


 このクラスは突然、異世界に転移した。


 なにこのウェブ小説みたいな展開、草生えるわ。


 このときまでは、まだ他人事のように僕は思っていた。

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