　十月に入ってから「雑感」をあまり更新できていないな、と思って数えてみたら、今月が始まってからの十六日間で「雑感」が更新されたのは八回だけだった。更新の頻度が下がっていることについて、三日前は「別にモチベーションが下がっているわけではなく、忙しいのと疲れたので手が回らないだけだ」と書いたが、よくよく考えてみれば、本当に書きたいことがあればどんなに忙しくても一日十分や二十分くらいの時間を作って書くことができるはずで、それができないということは、やはり書くことがなくなってきているのだろう。

　ここ数日は、小説全体について考えることより、個別の小説を書くためのリサーチのような仕事が増えた。三日前に女性ファッション誌を買ったのもそうで、これは近いうちに目を通さなければならない。それから、今日は『プレリュード／リゴドン』に登場する『クープランの墓』を実際にサックス四重奏に編曲して各パートを自分で吹いてみるということに何時間かを割いた。そしてこの作業は今後もしばらく続く。

　どうやら小説に対する自分の意識が、小説全体というところから個別の小説の細部に向くようになってきているようだ。この「雑感」は、小説を書きたい、でも何から書いたらいいかわからない、というところからスタートした連載であるから、書きたいことがある程度明確になった今となってはある程度役目を果たしたとも言えるかもしれない。しかし人の小説観というのは固定したものであるはずがないから、今後も小説について私が何かを考えるたびに、この「雑感」は更新されることになる。

　つまり、今後この連載は不定期更新になる。今日も私の書いた文章を読んでくれる人がいることに感謝したい。ありがとうございます。