2019/09/15(日)

 今日は昔の後輩に会った。彼とは高校の吹奏楽部で一緒で、彼はユーフォニアムを吹いていた。今は京都の大学で映像製作の勉強をしている。彼は京都アニメーションの熱心なファンであり、あの事件には大変心を痛めたそうだが、それはそれとして、アニメ『響け! ユーフォニアム』の舞台となった宇治市に足しげく通っているらしい。いわゆる聖地巡礼である。『響け!』は高校の吹奏楽部の話で、これが世に出る前から彼はユーフォニアムを吹いていたので偶然の一致ということになるが、『響け!』の主人公もユーフォニアムを吹く。それで彼がユーフォニアムを担いで宇治に行くと、一目で『響け!』のファンだとわかるので、色んな人に声をかけられて仲良くなるということだった。河原で楽器を吹くこともある。そんな話が印象に残った。

 二十世紀に映像媒体は大きな発展を遂げ、いまや私たちの生活の欠かせない一部になっている。一方で、過去には文化を牽引するものであった文学は、映画やドラマやアニメに押されて、もはや芸術の一つのジャンルにすぎなくなっている。それでも私は、小説の力を信じていたい。小説はなんといっても内面の芸術であり、それが持ちうる精神的な深みについて言えば、ほかのどんな芸術をも凌駕している。人が本当に本を読まなくなるその日まで、小説は人の心に大きな影響を与え続けるだろう。

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