2019/09/01(日)

 今日はあまり書くことを思いつかないので、今後の読書計画についてまとめることにする。今は小説と思想系の本とを並行して読んでいる。今後もその方針でいくつもりだ。

 まず小説について。今特に気になっていて作品を読みたいと思っている作家は、小島信夫、古井由吉、カズオ・イシグロの三人。村上春樹の『海辺のカフカ』を読み終えたら、古井由吉の『野川』、カズオ・イシグロの『日の名残り』、小島信夫のいくつかの短編の順で一冊ずつ読み、その中で一番気に入った作家のほかの作品を何冊か読むことにする。それぞれの作家とその作品を選んだ理由について解説しておく。

 古井由吉。この作家は柴田元幸と高橋源一郎の対談をまとめた『小説の読み方、書き方、訳し方』という本の中で紹介されていて知った。といってもまとまった記述があるわけではなく、高橋が選んだ「ニッポンの小説三十選」みたいなブックガイドに『野川』が入っているだけだ。古井由吉という名前がなんとなく気になって、図書館で『野川』を借りてきて読んでみたら、その意味のわからなさにびっくりした。

 カズオ・イシグロ。この人は一昨年ノーベル文学賞を受賞しているが、私はその二年前、大学の英文学の授業でこの人の名前を知った。先生はイシグロの『わたしを離さないで』について「二十一世紀ベストの小説かもしれない」と言っていたが、その時点ではあまり興味が湧かなかった。世界的に権威ある文学賞の一つであるブッカー賞(小説に与えられる)を受賞した『日の名残り』を読もうと思う。

 小島信夫。この人も柴田と高橋の本で名前を知った、と思う。あまり確証が持てない。とにかく実験的な作風で有名らしいが、その実験的な作風というのは例えば安部公房のそれとはだいぶ違うのだろうなということが、小島を紹介する文章を読んでいて想像できる。この人に関しては長編を読むのは骨が折れそうな気がなんとなくするので、まずは『小島信夫短篇集成』の適当な巻を選んで読んでみようと思う。

 次に思想系の本について。目下のところ興味があるのは創作論で、今は保坂和志という小説家の書いた『小説、世界の奏でる音楽』という本を読んでいる。これを読み終えたら、文学理論の有名な文献であるらしいノースロップ・フライの『批評の解剖』を読む。その次に読むのはジャック・ラカンの『精神分析の四基本概念』だ。大学で受けた授業の中で、前述の英文学と並んで最も面白かった授業はラカン派精神分析に関するものだった。授業ではその考えのほんの一端に触れただけであったから、もっと知りたいと思う。以前読んだラカンの入門書の勧めに従って、まずはこの本を手に取る。あとは、大学でできた友達が好きだと言っていた哲学者のガストン・バシュラールや小泉義之といった人の本も読んでみたい。

 ひとまずはこんなところだ。今年度中くらいに読めるといいな、と思っている。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る