死にたい、生きたい
白ラムネ
短編
僕は今日、死のうと思う。
仕事も恋愛も友達も何もうまくいかない。
屋上に行くためにカギとスマホを持つ。
ドアを出たその時だった、スマホが光る。
知らない番号からのメール。
【こんにちは、私、ヘルヘブン会社のものです。今日あなたが面接に来るはずの新入社員さんのAさんで間違いないですか】
そんな会社知らない。
面接に行く予定もなかったはずだ。
知らない会社からのメールに戸惑っているともう一度メールが来た。
【今回は不採用になります、ですのでこちらに来ないでくださいね】
知らない会社からも不合格ってか、まったく本当についていないよ。
僕は笑ってしまう。
思えば笑ったのはいつぶりだろう?
そんなことを考えているともう一度メールが来た。
【あなたは本当にうちの会社に来たいのですか?】
僕はさすがにイラっとしてメールを返す。
【行く気はないです、そもそも面接に行く予定もないですよ、何なんですか、あなたは】
【私達ヘルヘブンはまだまだ現役世代で死んだ人が働くことが出来る画期的な会社です、みなさん死んだ目をしながら働いてますよw】
は?なんだこれ?
メールと共に写真が添付されている。
見てみると腕の捥げた者、体が真っ二つになった者などが働いている姿が写っていた。
写真を見て吐きそうになる。
【あなたはこの会社に就職しようとしてます、これを見てもこちらに来たいと思いますか?】
僕は何も言えない。
メールがどんどん届く。
【親御さんが苦労をして育ててもらったその体を一時の感情で無駄にしてる人達なのでこちらではブラック会社並みに働いてもらっていますよ】
【本当にこちらに来たいですか?】
【幸せは長続きしないように不幸も長続きはしません、いつまでそこで立ち止まっている気ですか?】
【あなたは最後の最期まで突き進んでください、ダメじゃないんです、そこで終わりじゃないんです、まだまだあなたは若いでしょう?】
【たくさん悩み、たくさん苦労し、たくさんまだ感じたことの無いモノに触れてください】
【それでも、こちらに就職希望ならお待ちしております】
メールはそこで途切れた。
僕は呆気に取られて何が何だかわからなかった。
「最後の最期まで突き進めか.........」
僕は家に戻って布団に入った。
あそこに逝くくらいなら、まだ生きてみようかな........
自殺は若年層にとても多く社会問題の一つになっています。
自殺がしたい、そう思ったら一歩下がってやり残したことがないかもう一度考えてみてください。
そして生きてください、死なない限り本当の地獄を見ることはありませんからね。
ヘルヘブン社
死にたい、生きたい 白ラムネ @siroramune
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