カイダンのカイダン

 ある中学生は、階段の七不思議を試してみた。


 「声に出して数えながら上ると、12段のはずの階段が13段になる」




「いーち」

 ぱた


「にー」

 ぱた


「さーん」

 ぱた


 そうして。


「じゅーに」

 ぱた


「じゅーさん」

 ふにゃ


 わっ、本当に13段目を踏んだ!

 わくわくしながら、スマホと懐中電灯を足元に向けた。


 あらわになったのは、クリーム色の硬い床じゃなく。

 裸で寝そべる、生白い、柔らかい、誰かの背中。

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