第131話 報告と二人の本チャン

ピットに戻ると「あ、ようやく戻ってきたか」とでも言いたそうな、パッと目を開いたユリがこちらに向かってツカツカと歩いてきた。


「お、凛子やっと戻ってきたね! どうしたん?そんな長く。 トイレ混んでたの?」


「いや、そういうわけじゃないんだ。 実はさっきピット歩いてたら、私の友達のアレサにあってさ。 ちょっとクルマ見ながら立ち話してたの」


「アレサ・・・・あー、前に榛名であったMINIの人か! あの人も参戦してたのね! どんなマシンだった?」


「なんかMINIのワンメイクレースカーを規定に合わせて仕様変えて持ち込んでたよ~ カッコいいクルマだったね!」


「なるほどなあ・・・・ そうとなれば、私も少し気にしてみなきゃなあ・・・・」


ユリは結構興味津々にアレサのチームの話を聞いてきていた。 やはり、榛名での一件があって面白い人として認識していたのであろう。


そして、少し間が空いた後、ユリは私に続けてこう報告してきた。


「あ、そうそう! さっき莉緒がタイムアタックに行ってたんだけど、無事規定の3分切りして、ライセンスも取れそうっぽいのよ!」


「そうなんだあ・・・・!! それは良かった! ・・・・となると、あとはリドっちゃんか・・・・」


「そうねえ・・・・ まあでも、行けそうな感じではあったわ。 練習走行の時は楽々3分切ってたし、二人とも心配することはなさそうね」


「だね! みんなこれならレース本番もいい線いけるんじゃない? 俄然楽しみになってきたわ!」


「フフっ、そうね。 アタシも結構いける気がしてるんだ。気心知れたみんなだし、そんなみんなと思い切りやれたらいいな~ってさ」



ユリは清々しそうな顔でそう呟いた。 私も全く同じ気持ちであった。


今まで一緒に楽しんできた仲間たちとの舞台・・・・思い切り楽しくいきたいな! そんな心持なのであった。



・・・・そして、午後からの莉緒、セリカ二人の本チャンで、無事二人とも規定タイムをクリアー。 ライセンスが発給されることになった。


4人で行けることになったし、次は予選だ・・・・!! また一つワクワクが増えた。


続く。

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