例え世界が滅びても拾いモノはやめない。

ナルスン

追放令嬢編

第1話 森で女の子ひろったった!



この小説を開いてくださりありがとうございます!

1話をみてくださったのならば、次は2話、さらに3話と是非最新の更新話まで読んでいってください!

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こんな事を言うのはなんだが、俺は一生懸命に生きてきた。生まれてこの方両親の顔は見たことが無いし生きる為に色々もがいたりもした。



孤児だったが根が明るかったのか、絶望する事なく

大体18年間くらい何とか生きのびて来れた。



曖昧なのは幼い時に育った孤児院が潰れちまって

そっから自力で生きてきたからなのだか、まぁ見た目の感じでそれくらいの年齢って事にしてる。



この王国は15年前の大戦争でなんとか勝利したものの損害も半端じゃなく俺みたいな孤児やら仕事がない浮浪者が爆増して社会問題に発展してしまった。



そんな中で生きていくのに苦労していたが、

あるとき転機が訪れた。

たまたま街で貴族のペンダントを拾ったんだ。

売れば馬鹿みたいな値がはって、宝石とかなんかめちゃめちゃ付いてて豪華なやつだ!



普通のスラム育ちなら間違いなく売り飛ばしたであろうものを、ピュアピュアな俺は兵士の所に素直に届けた。



「どうした坊主?」



「これ拾ったの」



そして取り調べとしてボコボコにされた。

世の中なんて本当に酷いもんだ。

小汚い孤児のガキがギラッギラの宝石ついたペンダントを持ってきたもんだから、盗んだと思われたんだろうな。それか憂さ晴らしのどっちかだ。



そうして牢屋で2日過ごした後に解放され

持ち主の貴族様がラッキーな事に大変にお人好しな人間で「母の形見をありがとう!」と泣いて感謝され、なんやかんやお礼に王都から少し離れた街のはずれの森の奥にある土地とそこに立ってる屋敷もどきを生活の拠点として譲ってくれた。

こんな所パーンと渡すなんて貴族ってすげーや。



その時俺は神に感謝したね。ボコボコににされた時は絶対許さん!!と思ったが、一周回って良い結果になった。これは神のお告げだと本気で思った。



そこから俺は拾い物を積極的にする様になった。大事そうなものは届けて、捨てられてそうなものは持って帰って自分で使う。ボロボロの剣とか鎧、斧とかな。鉄とかは鍛冶屋に渡すと小銭とかもらえてうれしかった。



もちろん失敗した拾いモノも何度かした。



ある日、森に拳くらいの鉄の塊が落ちていた事があり、ピュアピュアだった俺は「わーい!お小遣い!」と何も考えずそれを拾いあげた。

その瞬間身体中が硬直し、頭の中に言葉では言い表せない悪霊の様な思念が侵入してきたのだ!

悪寒が止まらず始めて"死"を意識し気を失いかけたが、



『クソ雑魚やんけコイツ!!』



と女の声と同時に体の硬直がすんなり解けた。

冷や汗をかきながら手に持っている鉄の球をよく見れば、禍々しい彫刻がびっしりと掘られていて、

なんとも不気味な球だった。



先程の出来事で怖くなった俺は、その球を遠くに放り投げた、、、はずなのだが、同じ軌道でヒューンと俺の元に戻ってきた。



『捨てんなや!!責任とれ!!』



とでも言うかの様に俺の周りを転がる球。

勘弁してくださいと何度も投げ捨てたが何度も帰ってくる。埒があかないのでその場に置いて家に帰ると球が家の前に何故か転がっていた。先回りしてるってどういう事なんでしょう?ほんと許して。

泣いちゃうよ?良いの?本当に泣いちゃうよ?

それ以来、うちの庭に"謎の球"が住み着いてしまった。



弱ったネコも拾った事もある。ある夜に"謎の球"がドアをノックするので外に出てみれば、傷だらけのネコみたいな生き物がいた。



「お前が運んだのか?」



そう聞けばぴょんぴょんと跳ねる球。仕方ないのでネコ看病してやった。初めは警戒心が強く何度も噛まれたり引っ掻かれたが、時間が経つにつれ仲も深まりすっかり家ネコに成り果てた。「野生にお帰り」と野山に放っても気付けば帰ってくるのでネーコと名付け面倒を見ることにした。



それからネーコがどうやっているのか、その小さな身体で山の魔獣を狩りまくったりすりし、"球"は"球"で変な思念を飛ばして、家と言うか祠?神殿?みたいなの作って祀れと転がったり、色々あったのだがその辺は割愛しよう。



金になるモノ、ならないモノ。拾いモノで上手くいく時もあれば、冤罪でボコボコにされたりしたが、そんな事が続けば兵士にも顔が売れる。今じゃボコボコにされることも無くなり、街では平和に過ごせている。万歳ピースフルワールド




そんな生活しながらギルドにも登録した。もちろん貴族様のお力をお借りさせていただいて。



金は借りるのはいやだが、名声くらいは使っても良いだろう。



 "ギルドで依頼こなして拾いモノをする"



これが俺の黄金のルーティン。



これを続けて金貯めて嫁さんもらって、謎の"球"を誰かに押しつけてこの土地でのんびりと生きていくんだい。そんなふうに思っていた。



それが、とんでも無い拾い者をした事で人生変わっちまった。




あれは太陽がそれはもう元気な昼だった。




☆☆



いやー今日も良い日だわ!太陽も元気!

依頼も終わってのんびり帰り道 最高イェー!

目の前に倒れてる女の子と血まみれの野盗っぽいのがいなきゃパーフェクト!!



、、、、、、、。



正直どうしよ、、、めっちゃ無視したいなぁ、、

また"球"みたいな事になりそうな予感しかない、、

でも丁度家への通り道だしなぁ、、、

服装的めっちゃ貴族っぽいんだよなぁ、、、

野盗達なんかズタズタだし、これ魔術モロに

ぶち当てられてるのでは?? 



女の子以外死んでるなぁ、、うーん 埋めよ!! こんな世界だしね!!命なんて軽い軽い!!

埋めてあげるだけ感謝して!!



と言うことで野盗の剣やらなんやら回収!

穴掘って埋葬!!成仏しろよ!!



野盗を埋めて念仏を唱えた俺は下心があったわけではないが一応、、、一応女の子の顔を拝見しておく事にした。チラり



「おぉ!!何だ!!すげぇ美人だ!!」



気を失っているので目の色はわからないが、それでもわかる顔のパーツの完璧な配置。すらっと伸びた鼻に思わず目が奪われてしまう唇。肌は白く美しく長くストレートなブロンドヘア。そしてその体つきは男ならば誰もが夢中になってしまう恵まれたプロポーション!!



よし、女の子は我が家へウェルカム!!

こんなところで寝てたら危ない!!

決して下心じゃない!!下心じゃないんだい!!



でも女の子がやばいやつの可能性もあるし怖いから一旦縛っとこと!! 魔術とかこわすぎぃ!!





唐突だけど、森で女の子ひろったった!!








とりあえず、もってかえるぜ!!




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