一般的、若者
フランク大宰
第1話 一般的、若者
昨日は早々に、気が抜けたように眠っていた。全ての事に終止符が付くのは随分と先だろうに。
恵比寿で何を着るかは、自分にとっては重要なことなのだ 、
単にIと会うだけなのにね。
長く眠っていると、いくつかの夢を観る。内容なんて殆んど目を開けば忘れてしまうけれど、その夢について、よく覚えている。
潜水艦を拿捕する夢だ。僕は深緑の軍服を着ていた、素敵な軍帽も被っていた。
最近、仕事で古い造船所に行ったからだろおか、こんな夢をみた理由は。
そこの会長さんは、原爆で家族を失ってから、親戚伝に造船業に携わる様に成ったらしい。仕事の話以外にも人生についての講義を僕にした。
若いヒヨコにでも感じたのだろう、実際はまるで若くないのに。
悩める子羊ではあるけれど。
僕の方からは昔し屋久島へ船で旅行に言った話をした。
「船旅は素晴らしいでしょう」と彼は言ったけれど、僕にとっては地獄の航路だった 。
体質的に船酔いに弱すぎたようで、船内の記憶もないし、屋久島は、そこにモスバーガーがあった記憶しかない。
そんな僕が潜水艦の夢を観たのだ。
夢の中で僕はその潜水艦の無線で日本政府に宣戦布告した。
何だか有名なあの漫画のようだ。
特に僕自信には日本に不服も怨みもないのにね。
と言って、保守的でもない。
どうだっていいのだ、僕らは流されていくだけだから。
最近、Hという女優をよく見かける。無論、彼女はテレビの中に居るわけだけれど。
彼女のことはよく分からない、ファンでもなければ、友人でもないのだから。まぁ、僕は男だから、彼女とのSEXを想像しようと思えば、出来るし、それは背徳感覚えるものでもない、僕にとっても、貴方にとっても。
しかし、特に彼女に思うのは、失われた月日だ、無駄に過ぎていき今も過ぎ行く時間につい。
その思考事態は、自分的には正常だ。過去にSに抱いていたもののような異常性を帯びていない。Hを見れば、自分の過ちに気づかされる。私はしかるべき年の頃に恋愛をし、初歩的なSEXするべきだったのだ。
惰性のSEXも恋愛も余程のことがない限りやって来るものだ。
当然、どちらにも縁のない人生もあるのだろうが、なにかでその部分を補えるだろうし、日本という国は性風俗に寛大なのだ、どうにでもできる。
Hのような女優様的女性と恋愛関係に落ることは現実味がない。ただ、彼女からは偶像的な青春生活が感じられる。
私は醜男で、魅力に欠けている、しかし、しかるべき年の頃に、しかるべき行動をするべきだったと悔やんでいる。
Iのことは愛している、恐らくは今まで出会った女性のなかで、一番大切に思っている。
容姿、性格などの問題はとおに通り越している、自分には不釣り合いだと感じることも、しばしば。
しかし、そんな彼女でも、僕の失われた月日に手出しできない、だって通り過ぎた物を引き戻す力など人間は持っていないから。
昔しアイドルに恋をしている、友人がいた。別に気持ち悪いなんて思わなかった。なんなら、そのアイドルとやらも彼と付き合えば幸せだろうにと感じていた。彼は大柄で顔をも悪くなかった。付き合っている女性もいたし、彼に片想いしている女性もいた。当時の僕にしてみれば羨ましく妬ましい存在であったけれど、男気があったし 、粋な喋り方をする男で 、好感を持っていた。
しかし、彼のアイドル好きは悲惨な結果を彼に一時的に起こした。きっと眠れない夜を、いくつも経験したことだろう。
時々、思うのだ、僕と彼が逆であったなら、少々正常な世界が存在したのではないかと。
気がついたら、七月が終っていた。朝のニュースは日本と韓国の陰鬱な関係を流していた。
この国は何処へ向かうのだろう?
そして僕らは何処へ流されるのだろおか。
一般的、若者 フランク大宰 @frankdazai1995
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます