俺の実らない青春ラブコメはおしまいだ

闇の帝王

第1話 例のヤツ。

俺らは、朝早く来て教室の机でカードを広げてカードゲームをして遊んでいた。しかし、そんなお遊びは終わりのようだ……。

ガタッ!バンッ!と、誰かが俺らの机に突っ込んできた。

俺は椅子に座っていた。机が腹に当たって痛い。

「ちっ、痛てぇな……。」

と、つい呟いてしまった。

「痛てぇじゃねぇよ。こっちの方が痛てぇんだよ!非リア共はここでカードゲームをしてんじゃねぇよ!」

と、言い俺らのカードをばら撒いた。

こんな程度で怒るような俺ではなかったが、言うべきことは言う主義者なのが俺だ。

「お前ら、リア充共が教室の中で走り回ってんのが行けねぇんじゃねぇのか。ほら、今日の朝の会で先生に言われただろ教室で走り回るのは危ねぇってよ。」

と、俺は言った。何も間違ったことは言っていない。むしろ、正し過ぎるまでだ。だが、リア充には分からないみたいだ。

「何、正当化してんだよ!先生の話しっかり聞いちゃってこれだからいつまでも非リアなんだなお前は!」

さすがに頭に来た。この程度では怒りたくない。図星と思われてしまう。彼は話し続ける。

「おい、どうした。俺が合ってたか。言い返せないのか。」

と、言い嗤う。

ドンッ!と急に誰かが机を叩いた。音の元へ振り向いて見てみると、彼女は口を開いてこう言った。

「やめなよ、葉月君が可哀想だよ!」と、俺を庇ってくれた。

俺を庇う人間なんてこの世にいたとは……。彼女の名前は、上野一織だ。軽く説明すると、頭が良く運動神経抜群だ。見た目はタイプだ。俺と喧嘩していた竹内海人は、少し身を引いた。

「お前、葉月の肩持つのかよ……。」

間もなく、

「だって、葉月君は悪くないじゃん!」

確かにそれは俺も思う。なぜなら、俺は騒いでいた訳でもなく非リア達と仲良く遊んでいたところに竹内が突っ込んできたのだ。

むしろ、俺は被害者に等しい。いや、何なら被害届出してやる。

「はっ。そうか、葉月の肩を持つってことは葉月のこと好きなんだな。」

と、言うと彼女は少し顔を赤らめた。が、怯むことなく、

「悪くもない人の肩を持つのが常識でしょ!?」

いや、俺は何を見せられている。俺のことを庇ってくれてる人が目の前にいるのに何も言わないなんて。と思い声を出そうとするが声が喉につまる。声が出せないのだ。心が何かを訴えているのだ。

鼓動が速く、胸がグッと締め付けられたような感じだ。俺は、上野芽生に恋をしてしまったようだ……。

と、考えている内に事態は収まっていた。朝のホームルーム前だったので、人が少なったから助かった。しかし、この感情どうすればいいのだ。



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