第4話 (レン)
一体この子はどこでそんなことを覚えてくるんだ。嬉しそうに僕の手を握るミライを見て、軽くため息が出る。
確か、最初に恋について読んだ本は、ちょっと前に出ていった弟子のミュウが置いていったものだった。他にもミュウの本が残っていたんだろうか。もし、また会えたら、謝らないと。全部燃やしてしまった。
この子は、なぜだか僕の思った通りには育ってくれない。頭の痛い問題ではあるのだけど、ミライの笑った顔を見ると「まあいいか」という気分になってしまうから始末が悪い。
手を繋いで歩くのがよほど嬉しいらしい。さっき怖い目に遭ったばかりだというのに、ミライは何事もなかったように鼻歌交じりで僕の隣を歩いている。
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