一夜のキリトリセン

新吉

第1話 人酔いのシンカンセン

 起床ラッシュ

 間違えた

 帰省ラッシュ


 僕は今シンカンセンの自由席と指定席の狭間にいる。いやまあつまりは自由席なんだけど、席じゃないところ。そしてイスにしているのはスーツケースだ。朝起きて、実家に帰るためにスーツケースを引っ張り出していろいろと詰め込んだ。本当はこんなに荷物はいらないんだけど。今回は連休が取れたから、ゆっくり羽を伸ばすつもりでいる。


 鈍行で帰ろうかと思ったけど、やめた。乗り換えのたびにダッシュしなくてはいけないスケジュール。この暑さではキケンだと判断した。鈍行だって人が多い。シンカンセンだって変わらず混んでいる。人だらけで人に酔う。


 シンカンセンの駅では地元出身の歌手の曲が出迎えてくれた。さてと、ここからまた電車に乗る。この電車もまた混む。平日は学生だらけだ。その前にコンビニとトイレに行こう。コンビニでスポーツドリンクを買う。暑い。ただシンカンセンに乗ってきただけなんだけどなあ。移動するだけでもまるでスポーツだ。


 人がどこかへ動く。目的があったりなかったり。とにかくいろんな乗り物を駆使していろんな場所へ行く。その道中お土産やら飲み物やら、お昼やらいろんな買い物をする。夏に人がうごめくイベントといえばお祭りに花火に出店に、ライブにプールに海に山、バーベキューなど。そして特に暑くて喉が乾く。夏はなにかと出費が多い。水のようにお金が出て行く。


 シンカンセンは高い

 でもそんなに揺れないし速い

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