you are my soul〜もしも全日本男子バレーチームに女子が入ったら
@akkoue
第1話
「もしも何かあった時には、俺が責任取ってやるから…!」
今でも鮮明に覚えている。
あの日の空気、温度、会場に響き渡る観衆の声援。
あなたの1番近くにいるにはどうすればいい…?
私は…
ー
「浩二ー!」
声のした方に、阿部はゆっくりと顔をあげる。
1月の終わりとはいえ、練習後のTシャツはすっかり汗で濡れ、顔を洗った後の水がさらにポタポタとTシャツに跡をつけた。
「とも先輩!来てたんですね!」
自分に駆け寄るその人物に阿部は手を振った。190cmを越える長身とはいえ、笑った顔は少年そのものだ。
「今練習終わり?明日はよろしくね!」
「明日…?」
首を傾げる阿部に、「とも先輩」はぷっと片頬を膨らませてみせる。
「明日はネクトラストとの練習試合でしょ?俺も明日からチームに合流するから…」
「ああ!そうなんですね!」
驚いたようななるほどといったような顔の阿部に、「とも先輩」はニンマリと笑う。
「3年間ありがとね、浩二。公式戦が終わった後も言ったけど…」
「これからはまた、水野さんにボール上げ続けなきゃ!」
…
先輩と呼びながらも、その人物は、自分の胸ほどしか身長がない。
それでも、その美しい瞳の奥の決意と一瞬の陰りを、彼は見逃さなかった。
「そのために今日までやってきたんだから。そしてこれからも…」
わかってる。
だって1番近くで見てきたんだ。3年もの間。この人の決意も努力も、そして…揺るぎない想いも。
「とも先輩…」
「明日はよろしくお願いします!」
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