過去列車

@noritaka1103

第1話 ここはどこだ?

「○○行きの最終列車が発車しまーす。お乗り遅れの無いようご注意下さーい。」

駅員放送に促されるように皆、列車に乗り込む。

この列車は最初こそ混んでいるものの終点に近づくにつれて空いてくる為、途中から席に座っている。

ある意味、この座るという行為が思いもよらぬ展開になることをまだ知らない。


列車は徐々に終点に近づく。車内も空席がちらほら目立つようになってきた。それまで立っていた人も座席に座る。そして、自分もいつも通り座席に座った。

少しすると眠気が襲ってきた。時間的に考えたら眠くなるのも普通だ。今は日付を跨いで午前0時半過ぎ。

そして、手すりに寄りかかりながら眠ってしまった。


眠ってから20分後。降りるべき自宅の最寄り駅を通過。

最寄り駅通過から10分した後、目を覚ますとそこは見知らぬ風景。

「ん!?ここどこだ?」と一時、脳内がパニックになったが程なくして落ち着きを取り戻し、冷静に現在地を調べようと携帯で位置を確認…が電波が繋がらない。いわゆる圏外の状態。

降りた駅の駅員に現在地を聞くと、そこは利用客減少により30年くらい前に既に廃止となっているはずの駅だった。

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