第89話
エヴァと学園長は今後の事について相談、隊長は帰って書類仕事。
会合の最中ほとんど黙っていた三バカと冒険者は、最後に昼飯くらい食べて帰ろう、という事で学園長から許可を貰い食堂へ。
話し合いが長引いたため人はいない。営業時間は終わっているが
「学校の仕事だったんでしょう?ほんとはダメだけど、賄いの残りでいいならだしてあげるわ」
という食堂のおばちゃんの好意をありがたくうけることにする。
壁には宗教画の代わりに安っぽい板。
「おふた方はこれからどうするんですか?」
雑談しながらの食事もおわった所で、三バカの一人がそう聞いた。
なんでもあの新人教師は司書の女性に片思いしているとか、そんな話。
「どうもこうも、仕事は終わりだ」
「そうですね。報酬貰って帰るだけ」
「あっさりしてますね」
二人の返事に一人はそう答えた。
「長居しても金にはならない。まぁ帰ってもいい仕事があるわけでもないがね」
「こう、何か、ないんですか?吸血鬼がいたんですよ?」
もう一人がそう言うが
「別に。この間はドラゴンと出会った。吸血鬼がでてもね。次は巨人か?」
「人生いろいろありますからね。驚いてばかりじゃ回っていかない」
そういう答え。
「あっさりしてますね。冒険者って」
「まぁ、僕も、ドーリーさんも、ここに来ることはもうないでしょうが」
そう言われて、すこし物思いにふけるV。
講師として教えていた生徒、数人だが名前を憶えている。
弓を使う二人。先輩の方は卒業して結婚するという話だったが、いい子だった。うまくいくといい。
後輩の子は一人で続けるのかな。
この三バカ新聞部。迷惑をかけられた思いでしかないが、なぜか憎めない。
人がいい学園長、教頭、その他教師。
地下迷宮。
封印されたモンスターのエヴァ。
「いやしかし、考えてみると、今回冒険者らしいことしましたか?僕たち」
「してないよなぁ」
確かにそうだ。いろいろあったがモンスターと戦ってもいないしダンジョン探索してもない。
「まぁ、依頼した人が満足して金もらえりゃそれでいいよ」
ドーリーはそう答えた。冒険者らしい考え方。
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