使命

勝利だギューちゃん

第1話

夜空には星がある。

たくさんの星がある。

銀河系だけで、2000億はあると言われている。


でも、肉眼で見る事の出来る星は少ない。

特に僕は、視力が極端に悪い・・・


その殆どは、地球上の生物は住めない環境だ。

でも、その星の環境に適した生物は、いるかもしれない。


そしてその生物は、地球では生きていけないだろう・・・


それでいいし、そうあるべきかもしれない。

互いのことは、干渉しないほうがいいのだ。


しかし・・・


「はじめまして、私は、α星から来た、プインです」

「あっそ、交番は向こうです」


邪険にしていた。

いきなり、「私は宇宙人」と言われても、信じるバカはいない。

今時、SFでも、そんな手はない。


「信じてませんね」

「はい」

「どうしてですか?」

「この星に環境に、適応しすぎています。

誰でも、ドッキリとわかります」


当たり前だ。

これが現実なら、世の中はいよいよ、破滅に向かう。


「私が、この星に対応しているのは、科学力の差です。

α星の科学力と、この星の科学力を一緒にしないでください」


逆切れされた・・・


「でも、この星に、地球人のまんまですね」

「ええ、この星の住民に合わせてきましたから」

「で、本来の姿は?」

「見たいですか?」

「はい」

「即答ですね。いいわ見せてあげます」


プインと名乗る少女(と思う)は、返信した。


その姿は・・・

地球の生物では、例えられない。


「元に戻っていいですか?この姿だと、この星では3分と持ちません」

「いいですよ」

「ありがとうございます」


地球人の姿は、宇宙服みたいなものか・・・


「そうですね。そんな感じです」


心が読めるのか?


「で、この星には、どんな目的で?」

プインに尋ねた。


「何だと思います?」

悪戯っぽく笑うプイン。


「地球侵略の下見」

「私たちは、友好的です」

「地球観光」

「ひとりできません」

「家出」

「もう、大人です」

「迷子」

「子供じゃありません」

「地球の平和を守りに?」

「自分たちの事は、自分たちで、解決してください」


きりがない。


「あのう。地球人くん」

「やすひろです」

「では、やすひろくんに訊きたいんだけど」

「何ですか?」

「さっきから、ありがちな憶測ばかりだね」


ほっとけ・・・


「降参です。教えてください」

「知りたい?」

僕は、頷いた。


「仕方ないな。かわいくて素敵なプヨンちゃん、お願いしますは?」

(どこで、覚えてきた?)

「どうしたの?」

「かわいくて、素敵で、チャーミングで、明るくて・・・(中略)、プインさん、お願いします」

「仕方ない、教えてあげる」

「はい」

「それはね?

「それは?」


少しの時間が流れた・・・


「あなた方、この星の人類を除く、他の生物を、よその星に移住させるためです」

「人類を除く?」

「ええ、この地球はもう、だめです。手遅れです。

でも、全ては人類の責任で、他の動物には罪はありあません」

「それで、移住させると・・・」

「はい。そうすれば、人類は滅ぶでしょう。自業自得です。

悪く思わないで下さい」


なるほどね・・・


「ピヨンさんとやら、他の星に移住させてたら、その生物は助かるのか?」

「はい。それぞれの星に移住させます」


科学者でもしているのか?


「わかった。よろしく頼む」

「えっ?泣かないんですか?命乞いしないんですか?」

「ええ、人類の巻いた種、仕方ありませんね。それは・・・」


予想外の答えなのか・・・

プインはうろたえていた・・・


プインは、何やら交信しているようだ?

母星か・・・


「わかりました。この星の生物は、あなたたち人類を除き、連れて帰ります」

「で、いつですか?」

「1000年後に、また来ます」


僕は、立ちつくした。


「ちょっとまて」

「何ですか?やすひろくん。やはり、命乞い?」

「そうじゃなくて、地球の生物は、1000年も生きられない」

「じゃあ、どのくらいなんですか?」

「人類でも、せいぜい100年だ。」

何だか、あわれんでいるな・・・


長い短いの問題ではないが・・・


「じゃあ、とりあえず1000年後にまた来ます。よろしく」


帰っていた・・・


しかし、1000年後、地球自体が無いと思うが、その時はどうするんだ?

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使命 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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