第98話 ちょっとだけ真面目に児童文学論②

子ども像について

“子ども像”とは、現実の子どものイメージ化。作品でいえば、主人公など登場人物の子どもの人物像のこと



子ども像の主要なタイプ


①成長する子ども

「子どもの物語でもっとも普遍的に語られてきたものは、小さな子どもが様々な経験を積んで一人前の大人へと成長する、という成長物語であろう。」(森田伸子)


②無垢な子ども

浜田広介「椋鳥の夢」

未明童話と共通しているのは、「悲劇」的なものを通して「けなげな心」を描くこと


③異化する子ども

異化すること、非日常化

1910年代のロシア・フォルマリズムと呼ばれる前衛芸術運動の中でヴィクトル・シクロフスキイという理論家がつくった文芸用語

あたりまえに思っている物事を違う人の目から見てみて改めてその存在に気づく手法

子どもは大人の常識をくつがえしてくることがある

「テルマエ・ロマエ」

トルストイ「ホルストメール」

アンデルセン「皇帝の新しい服(裸の王様)」

灰谷健次郎「誰も知らない」



     ◇   ◆   ◇



なんかわかんないけど、児童文学の講義が楽しかったです。

「子ども像」を踏まえて作品を考察する課題があり、私は「無垢な子ども」を選択して「都会のトム&ソーヤ」を論じたことがあります。

はやみねかおるさんの登場人物は、一見「異化する子ども」のようですが、作者のインタビュー記事を読んでみたら「無垢な子ども」の方に近い気がしたのです。

なんかわかんないけど、楽しかったなー。



いつもちこくのおとこのこジョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシー



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