第92話 コレエダタイプ

「万引き家族」が様々な賞を受賞した頃。

職場の先輩が、言っていました。

「是枝裕和さんの映画って、その辺の人とな日常を丁寧に描いているよね。何か物足りない」

職場の先輩は、どちからといえば起伏のあるストーリーが好きな人。

それに対して、うちの母は「万引き家族」も深く頷きながら見入っていた人。

ちなみに、私は母寄りの感性です。

丁寧に日常を描くような作品が好き。作品とは違うけど、Eテレの「猫のしっぽ かえるの手」のベニシアさんも丁寧な暮らしをクローズアップされています。

池波正太郎の「剣客商売」の冒頭は、ネギの味噌汁の匂いで始まっています。

昨年のテレビドラマ「僕らは奇跡でできている」とか「文学処女」の、緑と光を取り込んだ画面に穏やかな音楽は、こんちゃんの好きな演出です。

刑事ドラマの手に汗握る展開は好きですが、丁寧で穏やかなのも好き。

で、勝手に名付けました。

“コレエダタイプ”

日常を丁寧に描くのが好きなタイプ。

是枝監督だって「三度目の殺人」とか手がけているので、是枝作品が全てコレエダタイプではありません。悪しからず。



こんちゃんは、コレエダタイプ。

冬の喫茶店で、灯油ストーブにかけた薬缶が沸騰して、その沸いたお湯でコーヒーを淹れるような雰囲気が好きです。

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