第89話 こんちゃんは缶詰の上で踊る

一応、昔の人間を自称しています。

そんなこんちゃん、手先が不器用です。容量が小さく、要領が悪いです。

この前、とんだお馬鹿をやらかしました。



夜勤前、自宅で遅い昼食を摂っていたときのこと。

マグロの缶詰が食べたくなり、しばらく缶を眺めた末に、開けることにしました。

しかし、缶切りの歯が缶に食い込まない。

あれ、おかしいです。うん年前にカニの缶詰を食べたときは開いたのに。近年は、プルタブのように開けるタイプのシーチキンばかり食べていたから、開け方を忘れてしまったのかな。でも、桃缶は開けているし。

うんこらうんこら時間をかけること、15分。

8割方開きました。しかし、いざ蓋を上げようとすると、切り口が内側に引っかかってしまい、開かないのです。しかも、引っかかっている場所が、ちょうど真ん中辺り。隙間に箸を突っ込んで開け、橋の先を傷つけてしまいました。



……開きました!

マグロの缶詰の中身、シーチキンでした!

よくよく考えれば、そうですよね。味噌煮込みを想像していた私がポンコツでした。でもって、シーチキン、うまかったです。お葬式の引きものでしたが、スーパーのよりおいしかったです。



こんちゃんの手のひら、マメを潰した痕があります。

缶切りを力いっぱい握っておりました。

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