第17話 夏は来ぬ

木枯らしに頬を刺されると、春の温もりが恋しくなります。

桜の蕾が膨らむと、たおやかに揺れる満開の花が待ち遠しくなります。

葉桜が目立つと、したたるような青楓を愛でたくて仕方がありません。

湿度が高くなり、頭の中が腐り始めます。裳裾を濡らして田植えをする早乙女を妄想し、初夏になった、と実感します。

緑が日に日に濃くなるのと並行して、瓶に漬けた梅がこっくりと色づく様子を眺めてしまいます。

梅雨の長雨をながめながら、一足先にかき氷を楽しみます。

梅雨明けの予想が発表される頃は、暑さ対策に乗り出します。

梅雨が開けると、朝晩の涼しさが恋しくなり、1か月後に思いを馳せます。いかにして汗をかかず暑さを感じないか、模索します。

毎週の「刑事7人」が生きる喜びです。環様になじられたい。

寝室にエアコンがないので、窓を開けます。近くの田んぼから蛙の大合唱が聞こえてきます。

日曜日の「いだてん」と「あなたの番です」を楽しみに猛暑に耐えます。頭の中は高温多湿で腐りきっています。斎藤工くんと大東駿介くんのやりとりは酒の肴です。浅香航大くんに目を奪われて“交換殺人ゲーム”の内容が頭に入ってきません。西野七瀬ちゃんが可愛くて眩しすぎます。



要約すると、夏が嫌いです。楽しくなんかないです。

そんな夏の気持ち悪さを反映させた作品が、こちらです。



「夏思いが咲く」

https://kakuyomu.jp/works/1177354054890222170

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