二十二歳の誕生日

 今年の誕生日。特に書くことがない…。

 なので、どうしようか悩んでます!

 とりあえず、妄想でも書こうかな…。

 せっかくだし、誕生日に沿ったものでも…。


 今日22歳の誕生日!五紀も帰ってくるし、楽しみだな…。なんか五紀「夕飯は任せろ!」って言ってたけど何かあるのかな…。

 そう思ってるうちに夜になった。

「ゆずり、お待たせ!」

「五紀!お仕事お疲れ様!」

 そう言って私たちは出発する。

「ねえ、どこに行くの?」

「内緒。そのほうがドキドキするだろ?」

「五紀、そうゆうの大好きだよね。」

 そう言って笑いながらも本当にドキドキしていた。本当に何も知らされてないんだもん。

「よし、ついた。」

 そう言って五紀は立ち止った。ここは…。

「覚えてるか?高校時代よく二人で来たよな。」

「覚えてるよ~。懐かしいな…。大人になってから来たことなかったね。」

 そう、二人でよく来たレストラン。マスターと仲良くなったっけ…。

「この前久しぶりにマスターに会ってさ、ゆずりの誕生日の話になって、店予約してくれたんだよ。」

「そうだったんだ!じゃあ、早く入ろうよ!私、お腹空いちゃった。」

「ハハハ!そうだな、じゃあ行くか!」

 そう言って中に入った。


 久しぶりのマスターの料理はおいしかった。それだけじゃなくて「お祝いに」って言って小さな花束までくれた。

「ありがとう、マスター。」

「これから、もっといいことあるよ。」

「へ?」

 五紀が席を立ってる時にお礼を言うとマスターはそう言ってカウンターの帰って行った。どういうことだろう?

「ゆずり、お待たせ。」

「ううん。」

「あのさ、ゆずり。」

「なに?」

「…俺と結婚してください!」

 五紀はいきなりそう言うと頭を下げて指輪を差し出してきた。え?

「え、え?あ、あの…えっと…。」

 びっくりしすぎて言葉は出てこない。そんな素振り見せなかったのに…。

「あ、あの、へ、返事…。」

「あ、ご、ごめん。びっくりして…。」

 そう言って五紀を見ると耳は真っ赤だった。顔は頭を下げてから見えない。

「その、返事、ね。うん。えっと、お願いします。」

 そう言う私も、きっと顔から耳から真っ赤なんだろうな…。

「ほ、ほんと!?」

「こんなことで嘘つかないよ…。」

 がばっと顔を上げる五紀にそう言うと、五紀はぱあっと顔を明るくした。

「やった、やったよ!!」

 五紀がそう言うと店中から拍手が巻き起こった。

「あ、どうもどうも…。」

 恥ずかしそうに五紀が言う。

 きっと私は、この日を忘れないだろうな…。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

誕生日 雪野 ゆずり @yuzuri

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る