なろう系のラノベ作家JKが可愛すぎるんだが

だびで

第1話 プロローグ

「なろう系はゴミだと思うのだけど、あなたの意見が聞きたい。」


黒い長髪の小柄な美少女がこっちを見据えながら訪ねる。

目はくっきりとした二重でまつ毛も長く綺麗な瞳をしている。けれど彼女の瞳は僕をみているようで、そのずっと先を…‥。それはラノベの将来とか未来とかいうものだと思うーをみているようだ。


そもそも、最近はなろう系小説の全盛期だと言われる。なろう系小説には以下の特徴がある。


・主人公は絶対的に強い(ステータスがマックス。最強の武器。)

・主人公は脈絡なく女の子にもてる、所謂ハーレム。

・舞台は異世界だが中世をモデルにしているものが多い。(奴隷制など女の子に好かれるご都合主義だと思う。)


多少の違いはあるが、概ねこういった要素がテンプレートになっている。アニメ化されたものも多く、ラノベランキングの1位から10位のうち8個が、なろう系になっている。


そして、僕の目の前にいるのが2位の小説を書いているJKラノベ作家なのだ。しかし、彼女はラノベ作家なのに、なろう系が大嫌いだ。一日に5回は「なろうは豚の餌だ」とか言っている。


「最近はテンプレートのように似たような設定のばかり、正直うんざりだ。」


無敵の主人公がドラゴンとか魔王を倒し女の子にモテまくる。そんな現実逃避系の小説ばかりになってしまった。


「作家ってゆうのは世界に問いを投げかけるものだと私は思っている」


少女は目にかかった艶やかな黒髪を白くて小さい耳にかけながら、呟いた。

そして、俺は彼女のプロットに沿って、売れているラノベ「インキャの俺が異世界でハーレムに」を代わりに書いている。所謂ゴーストライターというやつだ。


俺は彼女のプロットを元に小説を書いている。市場が求めているものを与えるように。彼女の言葉を借りるなら、豚の飼育員のように‥…。パソコンに文章を書いていく。


「ヒロ、ピザ覚めるよ。」


ショートヘアのスタイルのいい女の子がピザを持ってきた。彼女は例のJKの姉で大学生でスポーツマンだ。


「ヒロもそろそろ息抜きしなよ。」


人気漫画家のマリリンは美しい金髪の大学生。なんと同じ大学だ。

僕はピザを食べながら思った。世の中は、なろう系みたいに甘くない。美少女が何人もいることなんてありえないんだ。そう心でつぶやき目を上げる。


そこには黒髪と金髪と茶髪の可愛い女の子がいた。やれやれ。完璧な、なろう系は存在しない完璧な絶望が存在しないようにね。

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