異世界キャバクラ・エデン サキュバスに外れなし⁉
だびで
第1話 異世界キャバクラ・エデン
「なあ、俺キャバクラ初めてなんだけど……。」
「異世界キャバクラは安くてかわいい子ばかりなんだよ。特に、このエデンって店がれべtる高いんだよ。」
「(言われてついてきたけど、エルフもサキュバスもアニメで十分なんだよな。)」
今日は花の金曜日。そしてプレミアムフライデー。まだ4時で明るいがスーツを着たサラリーマンが続々と歓楽街に吸い込まれていく。
異世界キャバクラ・エデン。
エデンは日本のキャバクラスタイルに近く、日本人御用達の人気店。
エルフやサキュバス、獣人など。様々な亜人に出会える。
そして何より安い。日本の半分以下で楽しめる。それも人気の理由の一つだ。
「ここだよ。エデン。」
二人は中に吸い込まれていく。
華やかな扉を開けると
中には美しいエルフやサキュバスたちと日本人のサラリーマンが酒を飲んで楽し気に話している。
「フルーツの盛り合わせ入りました。」
「ピンドンはいりまーす。」
オーダーが飛び交い、美しく着飾った蝶たちが舞う。まさに男の楽園⁉
「今日はクレアちゃん指名できます?」
店員のサキュバス(フツーに美人なんですけどっ)が、確認する。
「はい、呼んでまいりますので、あちらの席でお待ちください。」
「なあ、可愛い子ばかりだろう。」
確かにその通りだった。モデルのような見た目のエルフ。肌は白くきめ細かい。
細く切れ長の耳…。漫画でしか見たことがなかった。
サキュバスの女の子もレベルが高い。こぼれんばかりの胸、そして駄々洩れの女性フェロモン。俺は我慢できそうにない。辛抱たまらんっつつつ。
「お久しぶりです。お元気でしたか?」
明るく甲高い声で話しかけてきたのは、美しいサキュバスだった。
桃色の長髪から除く小ぶりな角。ギャル風の見た目だけど、美しい澄んだ目をしている。彼女がサキュバスだとわかるのは背中のスリットからコウモリのような羽がチョコンと出ているからだ。
「クレアちゃん今日もかわいいね。」
「ほめても何も出ないですよ」
そういうと、満面の笑みで答えて見せる。先輩のお気に入りというが俺も虜になりそうだ。
「こいつ同僚なんだけど。エデンも異世界キャバクラも初めてなんだよ。」
「そうなんですか。お二人とも是非楽しんでくださいね?」
そこに、もう一人女の子が来る。この子は・…エルフ族だろうか?
肩までかかる金髪そしてエルフ族特有の切れ長の耳。そして・…巨乳っ。Eは余裕でありそうだ。顔より胸に目が行ってしまう。
「この子もいいかしら?」
「勿論もちろん。かわいい子なら大歓迎だよ。」
先輩は週一で来ているらしく、すっかり遊び慣れている。
普通のサラリーマンが頻繁に来れるのも、異世界キャバクラは物価が低いので一回5000円から30000円程度で十分に楽しめるのだ。
そして、先輩曰く店外デートも割と簡単にできるらしい。
「田中さん最近来てくれないから、寂しかったよー。」
サキュバスのクレアは羽をパタパタさせながら先輩の腕にしがみつく。
そういえば店外デートもたまにしてるって言っていたな。
「クレア。他の客にもおなじこといってるんだろう?」
「そんなことないよ?田中さんは特別。」
「ハハハッ。クレアほんとに可愛いな。とりあえず、いつものワイン開けようぜ。」
「キャー田中さんかっこいい。シャンパン入りました。」
間もなく、ワインが運ばれて来てヘルプのエルフが全員分を開ける。
そして、ブースにいた四人で乾杯する。
「プレミアムフライデー最高。カンパーイ。」
グラスを合わせて、乾杯すると甲高い天国の鐘のような音がした。
「お客様はエデンは初めてですか?」
ヘルプのエルフの子が俺に話しかけてくる。そして、大きな宝石のような瞳で俺のことを覗き込む。
この世のものとは思えない可愛さだ。俺は、しばらくの間言葉を失った。
「キャバクラ自体初めてだよ。君は名前なんて言うの?」
「プリシラです。純潔のエルフ族です。名刺お渡ししてもいいですか?」
そういうと、セクシーなドレスに身を包んだプリシラの写真と名前が印刷された名刺が出された。
両手で恭しく渡すプリシラ。俺も仕事のように両手で名刺を受け取る。
良く写真と見た目が違うというのはあることだけど、プリシラの場合名刺の写真とほとんど年齢差がない。最近とったのだろうか。
「プリシラちゃんは今年で何歳になるの?」
見た目からしたら20前半大学生くらいだろうか?高校生くらいに見えなくもない。白くてきめ細やかな肌、シミも皴もない。
「えっと今年で134歳になりますね。」
俺は飲んでいたシャンパンを盛大に噴出した。あまりに綺麗に噴出したので水滴に光が反射して一瞬だけ虹になった。
「おい、お前何噴出してんだよ。てか、今虹見えなかった?」
「私も見えた。シャンパンを噴出して虹を作れる人は初めて見たよ。」
「すいません。てか今134歳って言ったよね。それ若すぎでしょ。」
エルフのプリシラは小首を傾げて、
「えっ?エルフだと普通ですよ?若いほうだと思います。普通に二〇〇歳以上の人もいますよ。エルフは見た目は年をとっても変わらないのです。」
「マジで?」
確かにアニメとかだとエルフは長生きとされることが多いが、長生きなうえに若すぎだろっ。合法ロリなんじゃないだろうか。どうみても10代にしか見えない。
「その子気に入ったのか。だったら、なんか飲んでもらえよ。」
「俺こうゆう店よくわからないんだけど。どれを頼んだらいい。」
「上はドンペリから下はジュースまであります。お客さんの気分次第ですね。」
「それじゃあ、この赤ワインを。」
「赤ワイン入りました。」
間もなく、受付のサキュバスがワインを持ってきてグラスに注いだ。
「もう一回乾杯しようぜ。」
「先輩。俺この店好きかもしれません。」
「新人のキャバクラデビューに乾杯。」
「カンパーイ。」
俺たちの宴は朝まで続いたのだった。
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