セイギノミカタ
下園 悠莉
はじまり
「 ・・・ 」
その子は、ただ、其処に居た。
怯える訳でも無く
恥じる訳でも無く
ただ、其処に居た。
自然な動作だった。
後先なんて、考える必要なんて無かった。
「 ・・・うち、来る・・・? 」
私は、彼に声を掛けた。
少年は顔を上げ
私の目と彼の目が重なった。
キョロキョロと辺りを見回している。
私は、ただ、その子の目を見つめていた。
私の気持ちに気付いたのか
少年は、私の方を見ると
僕?、とでもいう様に首を傾げた。
私は、頷いた。
少年は、照れているのか
未だにキョロキョロしていた。
私は、その手を取った。
セイギノミカタ 下園 悠莉 @Yuri_Simozono_2017
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