第101話 団長の帰還と報告

イタリアーノ王国、王城内・国王執務室......。


「国王様

王国騎士団・団長、オスカー殿

王国高等弁務官、カティア殿

御二方とも登城されまして、こちら執務室の方へお越しになりました」


「うむ。 中へ通してくれ。 後、宰相のジェームスも呼んできてくれ」


メイド長が、国王の呼びかけに従って重厚な扉を開ける。


「二人共、入ってきてくれ。 宰相のジェームスも直ぐに来るからな」


「「はい、では失礼いたします」」


そのすぐ後に、宰相のジェームスも執務室の中へと入った。


「じゃぁ、始めようか」


「今回の、南部辺境伯による悪事は......。」


「そうか、そんなに酷いものだったのか。 儂の目が届かないと思って好き放題

の事をやっておったのだな」


「こちらが、その資料と証拠になります」


「ありがとう、高等弁務官。 そうだ、カティアだったな」


「はい」


「ジェームス。 お前も目を通しておいてくれ」


「はい、承知致しました」


この報告会議の10日後、現南部辺境伯爵家の一族全員の処刑が決まった。

そして、新たな南部辺境伯爵家の当主が任命される事となった。


「ところで、オスカー団長」


「はい、何でしょうか。 国王陛下」


「ここには知ってる奴しか居らん、何時ものようで良いぞ。

お前に言われると、気味が悪い」


「では、ジェノバ王何ですか?」


「白龍と水龍、それに5体のドラゴンが現れた事で、今回の件が収まったとも聞い

ているが。 それは、如何いう事なんだ」


「まず、白龍と水龍、それに5体のドラゴンが現れたのは事実です。

そして、今回の件を収息させる、手伝いをしたのも事実です」


「そんな事が、実際に有るのか?」


「関係者全員から聞いた話はそうですし。 住民達の話からも、彼らが真っ直ぐに

辺境伯爵家の城へ飛んで行ったと証言しています」


「そうか。 宰相はどう思うか」


「私も俄かには信じられませんが、大昔の初代の魔導師様は龍と契約なさっていた

そうですから、有り得ない事ではないでしょう」


「はい」


「どうした、カティア」


「え~と、ギルド長のジャスミンさんの話だと、その~退屈凌ぎだったそうです」


「何と、そんな理由でか」


「はい、その様です」


「まぁ、細かいことは、追々考えることにしよう」 


こうして、執務室での報告会議は穏やかに終了した。



関係者が退出した執務室で......。


初代の魔導師様か...。


あの方は、偉大な方だったな。


お亡くなりになって数百年、未だに影響を与える存在なのだな。


ただ、その下の弟子の中に不穏な奴が居たと、三代目の魔導師様が仰って

いたか。



王都内、王城内での件に関わっているのか......。


否か......。

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