第6話 上手い話には裏がある
東部辺境伯爵家の三男ジョンとの婚約を一方的に解消した後、私ララは王国の第2王子様と婚約の儀を執り行いました。
これで私も玉の輿です。 うふふっ‼
それから、1年後......。
私も16歳の誕生日を向かえ、正式に第2王子様との結婚式を執り行いました。
側室という立場ではありますが、ジョンと結ばれるよりは遥かに有意義なはずです。
これからは、王族の血縁者として内政に関わる事が出来る様になるはずですから。
そして、2年後......。
私は18歳の誕生日を、王城の地下牢で過ごす事になってしまったのです。
公爵である父様と母様も、そして兄弟も一緒にです。
事の起こりは、半年前......。
公爵家の父のもとを訪れた、一人の商人との取引が発端でした。
私の母様は宝石類を収集する事が趣味の人で、その商人から見せられた宝石の美しさに心酔してしまい借金をしてまで、その宝石を購入してしまったのでした。
勿論、父様には内緒で。
えぇ、私も一切把握していませんでしたわ。
その時に貸金業者から借り入れた金額は、とても公爵家では補えるものではなく、父様に相談出来ない母様は、私に肩代わりを頼んで来たのでした。
そこで、私は無理を承知で夫である第2王子様に相談して支払いの為の金額を何とか工面して頂きました。
それなのに、二ケ月前......。
母が、購入した宝石5個の内、本物は3つで2つが魔石だったのが分かったのです。
しかもその2つがまだ只の魔石なら良かったのですが、その魔石には偽装を施された召喚の魔法陣が刻まれていたらしく、新月の月明かりの無い夜中に2体の大鬼が召喚されてしまったのでした。
召喚された公爵邸から王都の街中へと飛び出し、暴れ回る2体の大鬼......。
深夜の王都に、赤く燃え上がる数多の火の手。
そして王都内では緊急招集が掛けられ、力のある冒険者20名と騎士団100名が力を合わせて、何とか明け方になってやっと討伐に成功したのでした。
そして、いま現在......。
私たち家族は、その責任の所在を明らかにするために王城の地下牢で幽閉されているのです。
何処で道を誤ったのでしょうか?
そう言えば、ジョンは幸運度が神ががっていると言っていましたが......まさか⁉
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