アメコミ風 月影の庭
淀川馬琴
月が全てを見ている
月明かりの影
平八郎の乱がおきるより前の江戸時代、摂津の国。
大坂城下町にも飢饉の影響が及び、治安は悪化していた。
農民の田吾作は妻のお竹と一歳娘のきくゑを養いながら、
真面目に年貢を納めている。
この時代ゆえ、すでに親は死んでいる。
ある夜。
きくゑ「ぱい」
お竹「はいはい」
きくゑにお乳を咥えさせるが出が悪い。
お竹もきくゑもやせ細って今にも死にそうだ。
真面目に年貢を納めた事で早々に米は尽き、
田吾作は淀川に夜釣りに来ていた。
昼は山に入ったが獲物は取れず、
少量の山菜を持って帰る事しか出来ていない。
たいまつの明かりで淀川に流れる死体が見えた。
田吾作「なんまいだー」
魚が釣れなければ次は自分たちの番だろう。
運よく魚が針に掛かった。
生きるか死ぬかの瀬戸際。
その光景を上流から小船に乗った盗賊たちに見られた。
無事釣りあげた魚を桶に入れて田吾作が足早に去ると、
盗賊たちが後を追う。
たいまつを持つ田吾作、その光を追う盗賊が三人。
急に強い風が吹いてたいまつの火が消えた。
盗賊は目標を見失い月明かりに慣れるまで目を凝らしている。
その盗賊たちを月影と呼ばれる忍者が抹殺した。
盗品の米を回収する。被害者はすでに殺されているのだが。
ポチャン
暗闇で魚が暴れたのか。
田吾作が月明かりに目を凝らしてたいまつを点けると、
桶には魚がもう一匹入っていた。
驚いてよく見ると桶の底には米も沈んでいた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます